, コンテンツにスキップする

オフィスと在宅のハイブリッド勤務が定着へ-コロナ禍後の米国経済

  • バンガードやフォードなどの企業がハイブリッド勤務を採用
  • スタンフォード大のブルーム氏はリモートワークの経済的影響を研究

米国人は現在、2019年に戻ったかのように、マスクを外し、コンサートのチケットを購入し、休暇の予約を入れている。しかし、新型コロナウイルスが収束しても変わらないと思われることが一つある。それはリモートワークだ。

  米バンガード・グループフォード・モーターなどの企業は、週に数日オフィスに出勤し残りは在宅で働く「ハイブリッド」勤務スケジュールを恒久的に採用する。ただ、こうした長期的な勤務形態の変化が米国経済に与える影響を予測するのは容易ではない。

  このような状況に対応したのが、スタンフォード大学の経済学者ニコラス・ブルーム氏だ。何年も前からリモートワークの経済的影響について研究している同氏は、コロナ禍で事実上の「在宅勤務」専門家となり、その研究結果は多くのメディアに取り上げられた。全米経済研究所(NBER)の生産性・イノベーション・起業家プログラムの共同ディレクターも務める同氏は昨年、多数の米国企業と従業員を対象にコロナ禍後の勤務形態について調査した。

  ブルーム氏は大学の同僚と共同で執筆した最新のワーキングペーパー「都市に対する新型コロナウイルス感染症(COVID19)のドーナツ効果」の公表前に行われたインタビューで、リモートワークが移住や不動産、多様性、生産性などに与える影響について語った。

  ブルーム氏は新型コロナ禍で米国人が郊外に移住し、都市部の空洞化が進んだ現象について、「ドーナツ効果」と呼んでいると説明。最も多くの人を失った場所は大都市の中心部で、ダウンタウンは住人と企業の15%を失ったと指摘した。

Seeking Variety

The majority of Americans want a hybrid work model post-pandemic

Source: WFH Research

*Note: Based on surveys collected May 2020 to March 2021

  ブルーム氏によると、コロナ禍後に以前と全く同じ活動に戻ると回答した米国人は28%にとどまり、残りの72%は少なくとも混雑したエレベーターに乗ることを拒否すると答えている。「ある意味、不動産に関する最大の問題は高層ビルにどう対処するかということではないか」と同氏は述べた。

More Productive

Working from home has eliminated commutes and increased work hours

Source: Stanford University, University of Chicago research

  在宅勤務によってコロナ禍後の生産性が長期的に5%向上するとの調査結果について、ブルーム氏はそのうちの3-4%分は通勤時間の削減によるものだと指摘。より小さい要因として、週に2日在宅勤務をする場合、オフィスでは対面でのミーティング、在宅勤務は報告書執筆や経費処理などに充てるなど仕事が適切に管理されれば、生産性を向上させることができるとの見方を示した。

  一方、リモートワークによって昇進がより困難になるという研究結果については、「長期的に私が懸念する最大のコストは、独身の若い男性全員が週 5 日オフィスに出勤し、 6 歳と8歳の子どもがいる大卒女性が週 2 日出勤した結果、6 - 7 年後の昇進率に大きな違いが出て、多様性の危機に直面することだ」と同氏は述べた。

原題:
Hybrid Work Is Here to Stay in the Post-Pandemic U.S. Economy(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE