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元クレディSのトレーダー2人、仮想通貨で数十億ドルの資産構築か

  • デービス氏とチュー氏のスリー・アローズ、GBTCの5.6%保有
  • 環境面での懸念は仮想通貨取引全体には当てはまらず-デービス氏

2012年にアパートの台所のテーブルで、投資ファンドのスリー・アローズ・キャピタルを創業した元クレディ・スイス・グループのトレーダー、カイル・デービス氏とスー・チュー氏は、今や世界最大級の仮想通貨保有者で、数十億ドル相当のポートフォリオを持つ。少なくとも今のところはだ。

  彼らのポートフォリオは、仮想通貨のマイニング(採掘)を巡る環境面への懸念や中国当局からのデジタル通貨決済に関する警告、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)からの気まぐれなツイートなどで、ここ数日は大きく揺さぶられた。だが、仮想通貨の初期の投資家で基盤となる技術の伝道者でもあるデービス氏にはささいなことにすぎず、最近の乱高下は投資の初心者を怖がらせるものの、もっと激しい変動の時期を経験した人々を警戒させてはいないという。

  デービス氏(34)はシンガポールからインタビューに応じ、「ビットコインは高値から30%下落したが、実際にはさほど下がっていない。そんなに怖がっている人はいないと思う」と語った。

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アパートで仕事するデービス氏(左)、創業初期のオフィスのチュー氏(右)

  デービス氏とチュー氏は、パンテラ・キャピタルのダン・モアヘッド最高経営責任者(CEO)やギャラクシー・デジタルのマイケル・ノボグラーツ氏と共に、ウォール街出身者で暗号資産を受け入れたパイオニアだ。今では小口のデイトレーダーやバンカーなどあらゆる人々が仮想通貨市場に参入しており、ゴールドマン・サックス・グループのロンドン在勤新興市場セールス責任者アジズ・マクマホン氏は仮想通貨取引で財を成した後に退社したとCNBCは今月伝えている。

  こうした初期の信奉者の資産の多くは、仮想通貨の価格変動で増減したものの、一部の投資家は新規株式公開(IPO)や従来型の収入をもたらす企業の創設を通じ暗号資産を素早く現金化している。ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、仮想通貨交換業者コインベース・グローバルの共同創業者ブライアン・アームストロング氏は同社のIPO後に純資産が93億ドル(約1兆円)に上った。バイナンスの創業者、趙長鵬氏は同社を世界最大の仮想通貨交換業者に飛躍させた。

グレースケール

  高校の同級生でコロンビア大学で学んだ後、クレディ・スイスでデリバティブ(金融派生商品)トレーダーを務めた経歴を持つデービス氏とチュー氏(34)は自らの資産については言及を拒んでいる。だが、スリー・アローズが1月の当局に提出した書類では、同社の影響力の大きさが明らかになっている。

  それによると、スリー・アローズはビットコインだけで運用する220億ドル規模のファンド「グレースケール・ビットコイン・トラスト」(GBTC)の5.6%を保有。スリー・アローズは最大の出資者となっており、4月時点で持ち分は最大21億ドル相当だった。

  その後、マスク氏が今月、テスラ車購入代金としてビットコインの受け入れを停止すると発表したことから、同ファンドの受益証券価格は43%下落した。マスク氏は「ビットコインのマイニングで化石燃料の利用が急増している」ことを理由に挙げたが、デービス氏はこうした環境面の懸念が仮想通貨取引全体に当てはまるとは考えていないという。

  デービス氏は「電力をほとんど消費しないプルーフ・オブ・ステーク(PoS)のシステムを採用する仮想通貨はたくさんある。それが多くの仮想通貨が進む方向だ」と語った。

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  デービス氏はまた、マスク氏の一連のツイートによって仮想通貨市場が大きく動揺したものの、同市場でのマスク氏の影響力についての心配は日を追うごとに薄れていると述べ、「彼が毎日ツイートしたなら、年末には価格への影響力はなくなるだろう」と語った。

原題:
Ex-Credit Suisse Traders Amass Billions of Dollars of Crypto (2)(抜粋)

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