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大和証G、「CIO」専門組織設立へー高度な投資助言でリテール強化

  • 今年度中に約20人でスタート、顧客ニーズに応じたサービスを提供
  • 中国合弁証券は今月中にも営業開始、投資銀行業務や中国株販売など

大和証券グループ本社は、リテール向け資産運用サービスを強化する。2021年度中に高度な助言サービスを担う「チーフ・インベストメント・オフィス」(CIO)機能を持つ専門組織を立ち上げ、商品一つから預かり総資産まで顧客ごとのニーズに合ったサービスを提供できる体制の確立を目指す。

  中田誠司社長がブルームバーグとのオンラインでのインタビューに答えた。新組織は当初約20人でスタートする。資産全体への助言というCIO機能のフル活用については、少なくとも預かり資産1億円超の富裕層に限る考え。詳細は今後詰めるが、多様な資産ポートフォリオの基本形を開発し、顧客への提案に生かす構想だ。

Daiwa Securities Group Inc. President Seiji Nakata Interview

大和証券グループ本社の中田社長(2019年5月)

  資産運用サービスの高度化を巡っては、まず野村証券が20年7月に「CIOグループ」を新設し、機関投資家向けの高度なサービスをリテール部門に取り入れる取り組みを開始。SMBC日興証券も21年3月にCIOを立ち上げ、リテール向けの事業強化に取り組んでいる。

  回転売買に対する批判をきっかけに、対面証券各社は過去の売買手数料(コミッション)から預かり資産残高に応じた報酬(残高フィー)中心の収益構造への転換を進めている。大和証Gは20日に発表した新中期経営計画で、23年度第4四半期のリテール部門での残高ベースの収益比率目標を50%以上と掲げた。

  中田社長はCIO組織の立ち上げについて「資産管理型営業の柱にすることまでは考えておらず、選択肢を広げたい」と狙いを説明。最小限の助言から資産全体への助言まで顧客のニーズは幅広いため「残高フィーモデルも1パターンでなく、さまざまなパターンを考えていきたい」という。

  例えば昨年10月に導入した投信フレックスプランは、預かり資産1000万円以上の顧客を対象に、投信の入れ替えなど購入時手数料は無料で残高に応じて手数料を支払う仕組み。今年4月末時点で残高2000億円超とヒットし、23年度末の残高目標は1兆5000億円としている。

中国企業の資金調達案件獲得も

  昨年12月に中国北京市に設立した合弁証券会社は、当局の認可を前提に今月中にも営業を開始する。投資銀行、エクイティ、債券・為替・商品(FICC)の3分野でライセンスを取得しており、中田社長によると、投資銀行業務では国境をまたぐ企業の合併・買収(M&A)や市場の大きいA株上場企業の資金調達案件などの獲得を目指していく。

  エクイティ業務では香港の現地法人を通じた中国株販売などを行い、債券業務は自己売買取引から始めて、徐々に顧客との取引を拡大する方針。中田社長は「数年内に黒字化を目指したい」と述べ、今後、上海などへの拠点開設やアセットマネジメント事業などのライセンス追加取得を検討するとした。

  米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとみられる顧客との取引で、野村ホールディングスなど国内外の金融機関が巨額の損失を計上している問題については「1社当たりのリスク許容度の管理はしっかりやらないといけない」と再認識したと説明。今回の件を受け、改めて総点検したと明かした。アルケゴスとの取引の有無に関しては、個別案件についてのコメントは控えると述べた。

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