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米インフレ懸念でTIPSに異例の関心、20日に10年物入札

  • 向こう5年のインフレ期待は16年ぶり高水準、ETFにも資金流入
  • TIPS、登場から四半期近くで1.6兆ドル規模の市場に

米国では20日に10年物インフレ連動債(TIPS)の入札が実施される。これまであまり注目を集めたことのないTIPS市場がここに来てかつてないほどのスポットライトを浴びている。

  景気回復に伴い消費者物価が急上昇するリスクへの懸念が増大する中、登場から四半世紀近くで1兆6000億ドル(約174兆円)規模に成長したTIPS市場にあらゆる投資家が避難先を探している。トレーダーによると、新規参入組の中には、ベテラン勢が「団体観光客」と呼ぶリテール(小口)投資家やグローバルマクロ・ストラテジストらが含まれている。向こう5年のインフレ期待が16年ぶりの高水準をつけており、TIPSの上場投資信託(TIPS)にも資金が流入している。

  インフレ連動債トレーダーは市場の目まぐるしい動きに不意を突かれているという。昨年の新型コロナウイルス禍によるリセッション(景気後退)を受けたデフレ観測が、1970年代並みのインフレ高騰懸念に一部で置き換わったスピードは驚くほどで、バークレイズのクリス・マクレイノルズ氏は、TIPS価格のボラティリティーの激しい動きを「卓球台の真ん中に座って試合を観戦する」ようなものだと話す。

A market gauge of the U.S. inflation outlook hits 16-year high

  TIPSがインフレ圧力を過大評価しているかどうかを巡る疑問はさておき、トレーダーは消費者物価指数(CPI)を含む幾つかの重要データの予想が実際の数字とかけ離れた時を好機と受け止めている。ヘッジファンド、ウィンショア・キャピタル・パートナーズのギャン・フー氏は今年に入って、市場ベースのインフレ期待が上昇した中で、多くのトレーダーのポジションを手じまうのを目にしたが、20日に予定される130億ドル規模のTIPS入札は、投資意欲を見極める重要な指標であり、再参入の機会になる可能性があると指摘する。

  フー氏は最近の数字には「多くのノイズがあり、まだ終わっていない。今後2、3回の統計内容に誰も確信を持つことはできない」と話す。

  先週発表の4月のCPIが予想以上に上振れしたことから、インフレ期待を反映する5年物ブレークイーブン・レートは2.82%と、2005年以来の高水準に到達。10年国債利回りは先週、一時1カ月余りぶりの水準に達した。

  世界のインフレ連動債を売買するウィンショアのフー氏は、今週の入札を必見のイベントだと話す。4月22日に行われた前回のTIPS入札は5年物で、応札需要は19年以来の強さだった。

  フー氏によると、多くのトレーダーは「安く買えるか成り行きを見守っており」、現在はブレークイーブン・レートの縮小時にTIPSを買い、上昇時に得るというジグザグ取引となっていると付け加えた。

原題:
Inflation Angst Turns TIPS Into Must-Watch $1.6 Trillion Market(抜粋)

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