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Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg
cojp

日本のワクチン接種の遅れに経営者の懸念広がる-企業業績にも影

  • 「運用が複雑、煩雑でフラストレーションたまる」と楽天の三木谷氏
  • 接種率は先進国最下位の2%、経済回復は「一番遅い」と商社トップ

日本国内で2月に始まった新型コロナウイルスのワクチン接種。国民全体の接種率は2%と先進国の中で最も低く、医療関係者や高齢者優先となっているのが実態だ。決算期を迎えた上場企業の経営者からは、事業の現状や先行きに対する不安の声が上がっている。

  楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は13日、国内のワクチン接種について「停滞している。かなり危機感を持っている」と発言。「オペレーションが複雑、煩雑で、若干フラストレーションがたまっている」と政府の対応に不満を示し、野球など同社が展開するスポーツビジネスは赤字だと明らかにした。

  資生堂の横田貴之最高財務責任者(CFO)は12日、「やはりワクチン接種が進まないと、どうしても旅行者が回復してこない」と述べ、化粧品を中心とする同社製品の販売に懸念を示した。同社は百貨店のほか、空港の免税店などを主な販売チャンネルとしている。

Japan Starts Vaccination Of Elderly Population

川崎市のワクチン接種会場(4月12日)

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  ブルームバーグの調べによると、日本国内でのワクチン接種回数は人口の2%をカバーするにとどまり、接種率は先進国の中で最下位にある。米国と英国が共に41%前後に達する中で、途上国のブラジルの13%やインドの6.5%より遅れている。

  住友商事の塩見勝常務は7日、コロナ禍での経済回復は先進国の中で「日本が最も遅れているのではないか」と危機感を示した。三菱商事の垣内威彦社長も同日、アジアではインドやミャンマーの動向を注視しているとした上で、「先進国の中でいうと日本が一番問題」だと指摘した。

商社最大の懸念、ワクチン接種遅い日本の回復力-三菱商と住友商

1日100万回

  菅義偉首相は緊急事態宣言延長に伴う7日の会見で、「安心した日常を取り戻すことができるかは、いかに多くの方にワクチン接種ができるかどうかにかかっている」と強調。1日100万回を目標とし7月末までに高齢者の接種を終えるよう自治体の支援を表明した。ただ、国民全体への接種にはさらに時間がかかる。

来年のワクチン2億回分、モデルナやノババックスと協議-菅首相

  百貨店を展開する三越伊勢丹ホールディングスの前期(2021年3月期)の連結決算は411億円の純損失と2期連続の最終赤字を記録した。細谷敏幸社長は13日、ワクチンの接種が「政府の発表している通りに進めば、当社の業績は急拡大する」と期待している。  

  政府は東京、大阪、兵庫、京都の4都府県としていた緊急事態宣言の対象に12日から愛知と福岡の2県を追加、14日には北海道、広島、岡山の3道県にも拡大する方針を決めた。しかし、感染力の強い変異株の猛威やワクチン接種の遅れもあり、コロナ感染の収束は見えておらず、感染防止策の強化を迫られている。

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