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【日本株週間展望】下値固め、悪材料の織り込み進展-米中指標を注視

  • 米国では製造業や住宅関連指標、中国では工業生産などが発表予定
  • TOPIXは3カ月ぶり安値水準、バリュエーション調整も進む

5月3週(17ー21日)の日本株は下値固めが予想される。米国のインフレや国内の新型コロナウイルス感染への懸念は引き続き上値の重しとなるものの、株価調整の進展や良好なファンダメンタルズからさらなる下値は限定されそう。米中で堅調な経済指標が確認されれば、押し目買い意欲が強まる可能性もある。

  消費者物価の急上昇や商品市況の高騰などから米国株は下落し、TOPIXは13日に3カ月ぶりの安値を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長はインフレ率上昇は一過性の要因が大きいと改めて表明するなど、市場では今回の株価調整は米国株のバリュエーションの高さも一因との声がある。ボラティリティー(変動性)の高まりは継続しそうだが、経済再開機運から株価の上昇基調が崩れたとまでみる向きは少ない。

  中でもTOPIXは国内のワクチン接種の遅れも響き、決算期待が高まる前の水準まで下落した。株価収益率(PER)は実績ベースの20倍超から、今年の年末時点の予想ベースで15倍台へ低下。バリュエーションの調整が進展し、買い手控え要因だった企業決算の発表も一巡することで、悪材料より好材料に反応しやすい相場環境が整いつつある。

  米国では17日に5月のニューヨーク連銀製造業景況指数、18日に4月の住宅着工件数、20日に5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表される。中国では17日に4月の工業生産などがある。2週のTOPIXは週間で2.6%安と反落。

《市場関係者の見方》
三菱UFJ国際投信の石金淳チーフストラテジスト

「下値固めのスターティングポイントになるだろう。米金融・財政政策がしっかりしている恩恵が世界中に浸透し、日本企業のリビジョンインデックスを見ても外需は伸びている。企業業績はアップサイドに向かっているのは間違いない。米消費者物価は驚きだったものの、雇用は失われたままであり、金融政策の引き締めは考えづらい。株価調整が進んだため、米中経済指標が弱めに出ても悪影響は限定され、予想通りであってもファンダメンタルズは堅調として評価される可能性がある」

SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト

「第2週の売りで日本株に割安感が出た。日経平均は2万8700円まで戻しておかしくはない。ただ、ワクチンの普及など3週中に良い話が出てくるとは期待できず、2万8500円付近で戻りは鈍くなるだろう。17日の中国の経済統計で同国経済の堅調さが確認できればプラス材料になる。米国の景気回復は確認済みで、金融政策のスタンスが変わらないことは見えており安心感がある。緊急事態宣言の対象地域拡大は投資家の心理に重しとなる可能性は否定できない」

反落
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