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かんぽ生命:4400億円上限に自己株取得、郵政議決権比率5割以下

更新日時
  • 「上乗せ規制」解消で、新規事業の自由度確保し競争力高める
  • 日本郵政は中計発表、26年3月期の連結純利益2800億円

日本郵政傘下のかんぽ生命保険は14日、約1億6300万株(発行済み株式総数の29%)、4398億円を上限とする自己株取得を決議した。日本郵政は同日の取締役会で、かんぽ生命の自己株式の取得に応じた売り付け及び株式処分信託の設定を決議した。

  かんぽ生命には、民業圧迫を避ける観点から郵政民営化法によって一般の保険会社よりも厳しく業務を制限する「上乗せ規制」が課せられている。新商品などを提供する際には国の認可が必要なため、経営の負担になっていた。日本郵政の議決権比率が50%以下になれば規制が外れ、認可制から事前届け出制に移行、機動的に投入することが可能になる。

  経営の健全性を示すソルベンシー・マージン比率は低下するが、同社は1月に総額2000億円の劣後債を発行した。このため格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは同日、「財務強化にも取り組んだことを踏まえると、自社株買いと合わせた財務活動全体の格付けへの影響は限定」との見解を示した。

  かんぽ生命の自己株取得については、昨年12月にブルームバーグが報じていた。

  かんぽ生命が上乗せ規制解消へ、自社株買い3000億円で調整-関係者

Japan Post Plans IPO In 3 Years That May Exceed $50 Billion

日本郵政傘下企業のロゴ

  合わせて日本郵政は同日、5カ年の中期経営計画を発表した。最終期となる2026年3月期の連結純利益目標を2800億円とした。ゆうちょ銀行50%、かんぽ生命49.9%の保有比率を前提として計算した。

  金融2社の株売却を進める一方、日本郵便を核として銀行業、生命保険業を強化するとともに、不動産事業や新規ビジネスを展開する。

  中計期間中には、ゆうちょ銀行の株式売却も進め、保有比率を現在の約74%から50%以下に引き下げることが示された。

中期経営計画の概要(26年3月期)
  • 親会社株主に帰属する当期純利益2800億円
  • ROE(株主資本ベース)4%
  • 配当方針は、1株当たり50円の年間配当を安定的に実施

  中計では、5年間の投資計画として、戦略的なIT投資に計4300億円程度、不動産投資に計5000億円程度、新規ビジネス投資に計5500億ー1兆円という具体的な数値目標が盛り込まれた。グループ全体で約39万人いる従業員を3万5000人削減し、36万人体制にする。採用抑制などの自然減で対応する。

  一方、日本郵政が同日発表した決算では、22年3月期の連結純利益が前期比19%減の3400億円になる見通しが示された。ブルームバーグが集計したアナリスト6人の予想平均3688億円を下回る。

今期の業績予想
  • 経常収益は前期比9.6%減の10兆6000億円(市場予想11兆2872億円)
  • 経常利益は同20%減の7300億円(市場予想6667億円)
  • 純利益は同19%減の3400億円(市場予想3688億円)
(記事を構成し直しました)
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