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野村HD社長、アルケゴス関連損失処理ほぼ完了-専門家交え検証

更新日時
  • 99%超のポジション処理を完了、プライムブローカレッジ事業は継続
  • 23年3月期に3部門の税前利益を3200億円に引き上げ、従来2800億円

野村ホールディングス(HD)の奥田健太郎社長は、多額の損失を計上した米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとみられる顧客との取引に関して、10日時点で99%超のポジション処理を完了したことを明らかにした。外部の専門家を交えて、3000億円超に上る損失が発生した原因の検証も進めている。

Nomura Holdings Inc. Reports Second-Quarter Earnings

野村HDのロゴ

  12日に開催した投資家向け説明会で述べた。奥田社長は具体的な取引先名については言及しなかったが、「米国での損失事案でご心配、ご迷惑をおかけしている」と謝罪した。4月23日時点での97%超から進展し、ポジション処理はほぼ完了したという。

  既存のビジネスに同様のリスクがないか緊急点検を実施し、「問題点はないことを確認した」と説明。損失を出したヘッジファンド向けの金融商品取引や資金を提供するプライムブローカレッジ事業のリスク管理の枠組みの見直しを行うとともに、「現在、外部の専門家も入れて包括的なレビューを実施している」とも述べた。

  プライムブローカレッジ事業については、重要な顧客サービスの一つとして、リスク管理を強化した上でサービスを継続する方針も示した。一方で奥田社長は、同事業は従来からエクイティビジネスの中で他の事業を補完する位置付けだとし、株式引き受け業務(ECM)などを伴わない「株式を担保にした与信だけの取引は控えていく」と述べた。

  今後の事業計画に関しては、2023年3月期のホールセール部門の税前利益目標を従来の1200億円から1500億円に修正するなど、営業とインベストメント・マネジメントの両部門を加えた3部門合計の利益目標を2800億円から3200億円に引き上げた。

  ホールセール部門では企業の合併・買収(M&A)助言などのアドバイザリー・ビジネスの収益で今後3年間で50%の積み上げを目指す。特に米国での事業拡大に注力していく。海外富裕層向け事業の運用残高は現在の110億ドル(約1兆2000億円)から25年3月期に350億ドルを目指す目標を掲げている。

  4月に新設したインベストメント・マネジメント部門は、25年3月期に800億円程度の税前利益を見込む。プライベート領域での事業や商品ラインアップの拡大などで同期に運用資産残高(AUM)80兆円、収益1700億円を目指すとした。21年3月期実績は良好な市場環境で投資利益が大きく、AUM65兆9000億円、収益1631億円、税前利益910億円だった。残高を積み上げ、安定的に高水準の利益を確保できる体制につなげる。

23年3月期の主な目標
  • 税前利益
    • 営業部門1100億円(従来1100億円)
    • インベストメント・マネジメント部門600億円(従来は旧アセット・マネジメント部門の500億円) 
    • ホールセール部門1500億円(従来1200億円)
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(第4段落に奥田社長のコメントなどを追加して記事を更新します)
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