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ECBの緊急債券購入ペース減速、6月決定もあり得る-カザークス氏

  • 良好な資金調達環境の維持が鍵-どの程度の支援が必要かの判断で
  • 来年のPEPP終了後に従来の購入プログラム増額する可能性も

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁は、ユーロ圏の景気が悪化しなければ、新型コロナウイルス禍に対応する緊急債券購入のペース減速をECBが来月にも決定することはあり得るとの認識を示した。

  ECBが約束している良好な資金調達環境の維持が引き続き、域内経済がどの程度の支援を必要としているかを判断する鍵だとカザークス氏は説明。名目債券利回りはここ数週間に若干上昇したものの、インフレ調整後はパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の一時加速を決めた3月以降、低水準が続いていると指摘した。

  カザークス氏は6日のインタビューで「調達環境が良好なままであれば、6月に購入減速を決定できる」とし、「柔軟性はPEPPの中核だ」と付け加えた。

ECB stepped up purchases in late March to keep financing conditions low

  カザークス氏はまた、新型コロナ危機の終息よりはるかに後までユーロ圏経済は金融による大規模な刺激を必要とするだろうと述べた。PEPPのほか、マイナス金利や条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)が現在提供されている。

  同氏の発言は、今後数週間あるいは数カ月の間に市場金利がさらに上昇しても、ECBの支援拡大を引き起こすとは限らないことを示唆した。同氏は消費者の繰り延べ需要と銀行による貸し出し、米国の大規模財政支出からの波及効果がユーロ圏の経済見通しに上振れリスクをもたらすとの見方を示した。

  「ECBがあらゆる金利上昇に反応するかといえばそうではない。金利はある時点で上昇しなければならないからだ。われわれはさまざまな変数を検討するが、その重要性は多くの要因から時間と共に変化する。要因の一つは景気回復の段階だ」とカザークス氏は語った。

Covid Relief

More than 25% of people in the EU have received at least one dose of vaccine

Source: Bloomberg’s Covid-19 Vaccine Tracker

Note: Population coverage accounts for the number of doses required for each vaccine administered

  

  ECBは3月に、今年のユーロ圏成長率を4%と予想した。6月に公表される最新予測は、景気回復に要する時間や物価上昇圧力が根付いているかについて新たな洞察を提供することになる。

  一部のECB当局者は新型コロナ危機が転換点を迎えたとの見方から、緊急対応から従来措置への移行について公に議論し始めている。

  カザ-クス氏は、PEPPが2022年3月の終了予定を超えて延長されると考える理由はないと述べ、1兆8500億ユーロ(約244兆円)の購入枠を使い切ることなく終了できる可能性もあるとの考えを示した。

  「パッケージのサイズは絶対的な真実というわけではない。経済状況が良ければ全額を費やす必要がなくなる可能性が非常に高い」と語った。同時に、「まだかなり高い」不確実性の中でPEPPの終了を協議するのは「時期尚早」だとも述べた。

  ECBはPEPPのほか、月額200億ユーロで従来型の債券購入プログラム(APP)も実施しているが、カザークス氏は「PEPP終了時のインフレ見通しが現在と同様であれば、APPの増額について話し合うことは確実だと思う」と発言。「金融政策は引き続き、非常に緩和的だろう。必要なら、新たな政策手段を考案することもできる」と付け加えた。

原題:ECB’s Kazaks Says June Decision to Slow Bond-Buying Possible (1)(抜粋)

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