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商社最大の懸念、ワクチン接種遅い日本の回復力-三菱商と住友商

三菱商事住友商事は2021年3月期の決算発表の席で、他の先進国にワクチンの普及で後れを取る日本の経済回復が一番の懸念材料になっているとの見解を示した。政府はきょう、4都府県の緊急事態宣言の延長を決定、2県を追加した。 

Virus Outbreak Japan

新型コロナのワクチン接種を受ける菅首相(都内、3月16日)

  三菱商事の垣内威彦社長は7日、コロナ禍での世界経済の回復について「先進国の中でいうと日本が一番問題」だと述べた。住友商事の最高財務責任者(CFO)の塩見勝常務も同日、ワクチン普及で回復に向かうとしながら、先進国の経済回復では「日本が最も遅れているのではないか」と語った。

  国内で感染力の強い変異株が流行する中、大型連休の人出を抑える狙いで政府は当初、緊急事態宣言を5月11日までの17日間としたが感染者数は十分減少しなかった。ワクチン接種は2月に始まったが、接種ペースは先進国の中で最も遅い

  一方、米国について両社は、ワクチン接種が進み経済はコロナ前に完全に回復し、さらに成長する可能性もあると読む。三菱商事の垣内社長は「北米は米国を中心にワクチンが一巡というか二巡している。すでに経済環境はパンデミック(世界的大流行)が起きる前の状態に完全に戻っている」と述べた。同社は今期(22年3月期)、前期の約2.2倍となる3800億円の連結純利益を計画する。

  住友商事は今期、前期に一過性損失を計上したことの反動や、マダガスカルニッケル事業の操業再開などを理由に、ブルームバーグが集計するアナリスト予想の2244億円を上回る2300億円の連結純利益を見込んでいる。

投機的水準

  中国や米国などの経済回復に伴って足元の資源価格は高騰が続いている。三菱商事のCFOの増一行常務は、同日の電話会見で、銅と鉄鉱石について「いまの価格は投機的」で、中長期的には現在の水準より下がるとの見方を示した。

LME銅上昇、中国の連休明けで需要増加-スズの上げも目立つ

  鉄鉱石の価格について、先週決算を発表した三井物産の堀健一社長は「価格は歴史的におそらく最高に高い水準にある。需給分析をすると、もう少しノーマルな姿が中期的にはあると考えている」とした。ただ、しばらくの間は、「中国の粗鋼生産、コロナ後の回復、さまざまな経済回復政策、これらがしばらく効いてくるのは間違いない」と述べた。

  住友商事は今期の資源価格について、銅は前期実績より18%高の7279ドル/トン、鉄鉱石は同28%高の139ドル/トンとそれぞれ予想している。

  これまでに決算を発表している商社4社の実績と計画は以下の通り:

今期の純利益計画前期実績
住友商事2300-1531
三菱商事3800(120%)1726
三井物産4600(37%)3355
丸紅2300(2.1%)2253

単位は億円、カッコ内は前年同期比%

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