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アルケゴスで変わるヘッジファンドと銀行の関係、レバレッジに歯止め

  • アルケゴス損失免れたプライムブローカーも取引条件見直し
  • 特に小規模ヘッジファンドはアルケゴスの影響を懸念

ファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントのポジション崩壊の後始末は終わっていない。ヘッジファンドは高いレバレッジを維持しようと、損失を免れた銀行にアプローチしているが、うまくいくかは不透明だ。

  大手銀行は何週間もの間、クレディ・スイス・グループや野村ホールディングスの失敗を分析し、リスクを特定しようとしている。取引相手のヘッジファンドをより徹底的に調査したり、取引にもっと厳密な条件を課したりすることでこうしたリスクを回避しようとしている。事情に詳しい関係者が語った。アルケゴスから教訓を学び損ねたことを株主や規制当局に伝える羽目には陥りたくないからだ。

  アルケゴスとの取引を拒否したバンク・オブ・アメリカ(BofA)では、プライムブローカーを守るためにさらに何が必要かについてブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)が側近から聞き取りを進めている。ウェルズ・ファーゴは収益性が低くても安全な証券担保融資の方が賢明だとの信念を強めた。UBSグループのラルフ・ハマーズCEOは借り手により多くの情報開示を求める考えを示唆している。

  ニューヨークでは大口顧客としての交渉力を持たない小規模ヘッジファンド会社が、レバレッジを効かせるための銀行借り入れが難しくなったことを嘆いている。

  具体的な対応は銀行と顧客によってまちまちだが、最大ポジションについての情報要請や、それらのポジションのマージン制限厳格化、より頻繁な担保の調整、より厳格な監査などが検討されているようだ。プライムブローカー担当部署と運用会社に近い幹部らが明らかにした。

  ヘッジファンド、ワイス・マルチストラテジー・アドバイザーズの副最高投資責任者、マイク・エドワーズ氏は、プライムブローカーは「市場でデューデリジェンスを行うほか、場合によっては顧客に直接尋ねる」ことなどを通じて情報を集めようとするだろうと述べた。以前は「いろいろな場面で同じポジションを組んでいるスワップ取引相手方に情報を開示することは多くの場合、融資の条件ではなかった」と説明した。  

  このような姿勢は規制当局にも広がっている。米連邦準備制度理事会(FRB)金融安定委員会の委員長を務めるブレイナード理事は6日、「よりきめ細かい、高頻度の開示」を求めた。

  取引拡大を望む銀行が緩い条件で資金を貸し付け、アルケゴスは自己資金の何倍にもポジションを膨らませることができた。しかしアルケゴス事件後はヘッジファンドが同様の条件を得られる可能性は低い。銀行の担当者らはインタビューに応じなかった。

  アルケゴスから最大の損失を被ったクレディ・スイスは、許容するリスクや貸し付けの慣行を見直し、ヘッジファンド向け融資を3分の1ほど減らした。事情に詳しい関係者によると、クオンツ運用のツー・シグマは事件後にクレディ・スイスから取引縮小を求められた。別の関係者によれば、ヘッジファンドのマーシャル・ウェイスも取引を複数の米銀に移した。

  BofAの先月の年次総会でモイニハンCEOはリスクに綿密な注意を払った上級幹部をほめたたえた。幹部らはアルケゴスとの取引を拒否した理由を分析し、今後のリスク回避に役立てようとしている。状況次第である種のスワップの担保を引き上げることが議論されているという。

  大手ヘッジファンドの多くは複数のプライムブローカーと取引しているが、小規模ファンドはあまり選択肢を持たない場合が多く、条件も厳しい。アルケゴス事件は状況を悪化させるだろうと、小規模ファンドのベテランマネジャーらは述べた。

原題:
Archegos Blowup Crimps Hedge Fund Leverage as Banks Cut Risk (2)(抜粋)

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