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信用不安の中国華融、命運握るのは劉鶴副首相か-モラルハザード警戒

  • 不良債権処理会社の華融、頼元会長の下で事業拡大-資産は計29兆円
  • 劉副首相は昨年夏、脆弱な企業の淘汰は市場に委ねる必要あると表明

中国で金融事業を幅広く手掛け、信用不安が広がっている国有の中国華融資産管理の命運は劉鶴副首相が握っているのかもしれない。劉氏はデフォルト(債務不履行)に陥る国有企業増加の容認はまさに中国が必要としていることだと考えている人物だ。

  華融は債務返済に十分な健全性を保っていると主張しているが、期限だった3月31日までに2020年業績を報告できず、それ以降は市場がデフォルトリスクを織り込んでいる。今年1月には収賄罪で死刑判決を受けていた頼小民元会長の刑が執行された。

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  華融は頼元会長の下で、銀行の不良債権処理支援という当初の責務にとどまらず、オフショアでの債券発行で数十億ドルもの資金を集めたほか、信託会社の運営から証券取引、流動性の低い投資まで幅広く事業を展開するようになった。その結果、同社バランスシートの資産は計1兆7300億元(約29兆円)に膨らんだ。

President Trump Meets Chinese Vice Premier Liu He At The White House

劉鶴副首相

  政府が支援する資本注入や債券保有者の損失を伴う長期の再建案など、華融を巡りさまざまなシナリオがなお考えられる中、アナリストやエコノミスト、投資家は習近平国家主席の側近で、経済政策を担う劉副首相が極めて重要な役割を果たすとみている。

  北京に拠点を置くコンサルティング会社プレナムの陳竜エコノミストは、「最終決定を下す人物は劉副首相になるだろう」と指摘。「劉氏は誰でも救済するという姿勢ではなく、モラルハザードも好きではない。一方で、金融危機の引き金も引きたくない」と話す。

Delinquent Debtors

China's credit defaults on track to exceed 100 billion yuan for fourth year

Source: Bloomberg, cumulative by month

  ここ数年で権力を蓄えてきた劉副首相は、国有企業から持続的な経済成長の鍵を握る民間企業や戦略的産業へと与信の流れを変えることで50兆ドル(約5470兆円)を超える規模の中国金融セクターを再構築するビジョンを示してきた。

  劉氏は華融の命運に関してまだ公に語っていないが、過去の発言を見る限りでは国有企業のデフォルト容認は各金融機関に共産党とのつながりではなく、借り手の事業見通しに基づいてリスクを評価させる上で必要な措置だと考えているようだ。

  中国がまだ新型コロナウイルス禍による影響への対応を余儀なくされ、米欧諸国も代償にはほぼ目もくれず景気支援に乗り出していた昨年夏の時点で、劉氏は脆弱(ぜいじゃく)な企業を淘汰(とうた)する役割は市場に任せる必要があると述べていた。

  中国財政省が過半を出資する華融にこれが適用されるのかはまだ分からない。中央政府と密接に結び付く大企業のデフォルトを許せば、共産党がこれまで受け入れる用意があった範囲を超えることにもなる。

Rising Stress

Onshore bond defaults by China's state firms hit a record in 2020

Source: Fitch Ratings; 2021 data are for the first quarter

原題:
Huarong’s Fate May Rest With Xi Confidant Who Loathes Bailouts(抜粋)

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