米国株が下落、FOMCが景気認識引き上げ-ドルも下げ
Richard Richtmyer、Vildana Hajric1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。
28日の米金融市場では株式が下落し、国債相場が上昇した。米金融当局は緩和的政策の据え置きを決定する一方、景気の現状認識を上方修正した。ドルは下落。
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連邦公開市場委員会(FOMC)は声明で景気の現状認識を上方修正し、最近のインフレ率上昇は「主として一過性の要因を反映している」と指摘。景気刺激策の引き揚げを急いでいないことを示した。
S&P500種株価指数は前日比0.1%安の4183.18。ダウ工業株30種平均は164.55ドル(0.5%)安の33820.38ドル。ナスダック総合指数は0.3%低下。ニューヨーク時間午後4時19分現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.61%。
F・L・パトナム・ウェルス・マネジメントのポートフォリオ・マネジャー、エレン・ヘイズン氏は「市場にとり、知らせがないのは良い知らせだ。米金融当局が当面は緩和的な姿勢を維持することを意味するからだ」と指摘。「これはゴルディロックス(適温)の金融当局だ。株式市場はまさにこれを求めていた」と語った。

企業決算を消化する動きも続いた。アルファベットは前日発表の1-3月決算で広告収入が大幅増となったことから、株価が過去最高値に達した。一方、マイクロソフトは下落。増収決算となったものの、一部の高い期待に応えることはできなかった。フェイスブックはこの日の決算発表後、時間外取引で株価が一段高となった。
株価バリュエーションは5年平均を約25%上回る水準にあり、投資家は強気相場を持続させるような新たな材料を求めている。
外国為替市場ではドルが反落。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はFOMCの政策発表後に日中の安値を付けた。米金融当局は資産購入ペースを据え置き、新型コロナウイルスがもたらす経済見通しへのリスクに関し表現を上向きに修正した。
ドル指数は0.4%低下。ドルは対円で0.1%安の1ドル=108円61銭。ユーロは対ドルで0.3%高の1ユーロ=1.2121ドル。
ニューヨーク原油先物相場は続伸し、約1カ月ぶりの高値を付けた。米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で留出油の在庫が3月初旬以来の大幅減となるなど、石油製品の在庫減少が買いを誘った。石油製品の需要を示す指標が約2カ月ぶりの高水準となり、世界的な消費回復への期待が強まったことも支援材料。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は92セント(1.5%)高の1バレル=63.86ドルで終了した。ロンドンICEの北海ブレント6月限は85セント高の67.27ドルと、14日以来の大幅上昇。両先物ともに3月17日以来の高値となった。
ニューヨーク金スポット相場は上昇。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が資産購入の縮小について「まだ話す時期ではない」と発言。「一段と顕著な進展を目にするまでしばらく時間がかかる」とも語った。
ニューヨーク時間午後3時30分現在、前日比0.3%高の1オンス=1781.28ドル。一時は0.8%下落する場面もあった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は、FOMC声明の発表前に0.3%安の1773.90ドルで終えた。
原題:U.S. Equities Retreat, Bonds Gain After Fed: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Drops as Fed Says Pandemic Risks Curtailed: Inside G-10(抜粋)
Oil Surges With U.S. Demand Bump Driving Global Rebound Optimism(抜粋)
Gold Erases Drop as Powell Says ‘Not Time Yet’ For Tapering Talk(抜粋)