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ソフトバンクG、終わり近づく自社株買いー株価上昇限定的か

更新日時
  • 取得枠の残りは約1割-先月は株価が5.7%下落
  • 28日午後に自己株消却発表、孫社長の共同保有割合は32.1%に上昇へ

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ソフトバンクグループが進める総額2兆5000億円の自社株買いプログラムで、取得枠が残り約1割となり、終了が近づいている。自社株取得の一方で3月の月間株価が下落するなど、これまで株式市場で見られた正の相関に鈍化の兆しが出ている。

  ソフトバンクGの一連の自社株買いは2020年3月16日に始まり、ブルームバーグの集計によれば、株価は月間で平均7.6%上昇、20%を超える月が3回あった。そんな中、21年3月は様子が少し変わり、日経平均株価がわずかに上昇した半面、同社の株価は5.7%下げた。同月の自社株買いは2532億円だった。

残る取得枠は約1割

  孫正義社長が自社株買いを決断した約1年前、世界同時株安による投資先の価値低下に見舞われた同社株価は3月19日に2609.5円の日中安値を付けた。株価が低すぎるとして株主価値との乖離(かいり)を指摘した孫社長は、直後の3月23日、4兆5000億円の資産売却による自己株取得と負債削減を宣言した。

  自社株買いが終了しつつあることについて、ジェフリーズ証券シニアアナリストのアツール・ゴヤール氏は、「株価への上昇圧力がなくなると、ショートする動きが出てくる可能性がある」と指摘した。

  株式市場には追加の自社株買いへの期待も根強い。後藤芳光最高財務責任者(CFO)は2月の投資家向け説明会で、具体策への言及は控えつつ、「今後も投資パフォーマンスが良好だった場合に、自社株買いや配当の財源は増えていく。そういったときにはもちろんわれわれの重要な戦略として株主還元も当然検討することになる」と発言した。

SoftBank Group Headquarters Ahead of Earnings Report

ソフトバンクG本社

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ソフトバンクGが5月12日に発表する決算は好調が予想される。ブルームバーグは、ビジョン・ファンド事業からの利益が第4四半期(1ー3月)に3兆円を超えた可能性があると報じた。3月にニューヨーク市場で新規公開(IPO)した韓国の電子商取引大手クーパンの利益寄与で、ブルームバーグの集計では1990年以降の日本企業の四半期利益として最高になる可能性がある。

ソフトバンクGのファンド、クーパン上場で利益3兆円超えもー関係者

  だが、逆に好材料に対する株価の反応は鈍くなり、市場が懸念材料へ警戒を強めていることがうかがえる。英半導体設計会社アームの米エヌビディアへの売却を巡り、英当局が19日に、国家安全保障上の懸念を理由に介入する方針を示すと、ソフトバンクGの株価は3週間ぶりの下落率となった。

  ユナイテッド・ファースト・パートナーズのアジア調査責任者を務めるジャスティン・タン氏は、アームの売却が頓挫すれば株価に影響が出るとみる。多くの上場予備軍を有する魅力がある一方で、「ネットアセットバリューを上昇させる誘引がない限り、株価のディスカウントは再び広がってくる可能性がある」と話した。

  ソフトバンクGの株価は28日の取引で一時前日比1.8%安の9861円と続落し、終値は1.5%安の9891円だった。

  ソフトバンクGは同日午後、発行済み株式総数の16.31%に当たる自社株を消却すると発表した。ブルームバーグの集計では5月11日の消却実施後、孫社長のほか、孫エステート合同会社など関連する資産管理会社の共同保有割合はこれまでの26.9%から32.1%に高まることになる。

(文末に株価情報や孫社長の保有割合を追記します)
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