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Photographer: ROSLAN RAHMAN/AFP
Cojp

シンガポールが首位浮上-新型コロナ時代の安全な国ランキング

  • 感染抑制措置と比較的迅速なワクチン普及の組み合わせが奏功
  • ワクチンだけではパンデミック終わらない-変異株とスピード競争に

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新型コロナウイルス感染症(COVID19)を巡りブルームバーグがまとめる世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」で、4月はシンガポールがニュージーランドを抜いて首位に浮上した。感染を抑える措置とアジア太平洋地域の中では迅速なワクチン接種の組み合わせが奏功した。

  シンガポールは国境の管理と厳しい隔離プログラムによって、国内で感染した人をほぼゼロまで抑え込んだ。日常生活はほぼ通常通りとなり、コンサートや周遊クルーズを楽しむこともできる。国民のほぼ2割がワクチン接種を終えており、ニュージーランドやオーストラリア、台湾はこの点で後れを取っている。

Immunization Race

Singapore is ahead of other top-ranked Asia-Pacific peers in vaccination

Note: “People covered” divides the doses administered for each vaccine type by the number of doses required for full vaccination

Source: Bloomberg’s Covid-19 Vaccine Tracker

  しかし、4月の結果はワクチンだけでは新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を終わらせることができないことを示した。

  フランスやチリなどワクチン接種が進んでいる国も変異株の感染が拡大し順位を落とした。ワクチンの供給が不十分で感染抑制の取り組みも失敗している開発途上国で変異株の発生が増えている。全世界では10億回以上のワクチン接種が行われたが、貧困国には十分に行き渡らない。インドは世界の感染者数を押し上げる中心になっている。

  こうした傾向の中、ポーランドとブラジルは53カ国・地域の最後の2スポットを占めた。昨年11月のランキング開始以降最下位にとどまっていたメキシコは48位に順位を上げた。

  米国は4つ順位を上げ17位。迅速なワクチン接種によって死亡者は減少しているが、警戒の緩みから感染者は徐々に増えつつある。7段階上昇し18位となった英国はロックダウンを解除。ワクチン接種と並行して国境管理厳格化によって新たな変異株の侵入を防ごうとしており、別の変異株が出現したインドからの渡航を禁止した。感染再拡大で新規感染者数が連日30万人を超えているインドは10位後退し30位となった。

  COVID耐性ランキングは幅広いデータを用い、社会・経済への影響を最小に抑えつつ最も効果的な新型コロナ対応を取っている国・地域を特定する。死亡率や検査率、ワクチンへのアクセス、移動の自由などを勘案する。国(域)内総生産(GDP)2000億ドル(約21兆6000億円)超の国・地域を毎月比較する。

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ブルームバーグCOVID耐性ランキングの補足説明

  ワクチン接種が数カ月前に始まった国・地域は多いが、制限を早く解除し過ぎる政府もあり、十分な免疫を確立する前に変異株の感染拡大に道を開いてしまったケースもある。

  ポーランドのワクチン普及は国民の13%をカバーするのに十分で、全世界の3分の2の国・地域より進んでいる。しかし、英国由来の変異株が新規感染の90%を占めるようになり、感染者と死者の急増につながった。ブラジルで見つかった別の変異株は中南米で猛威を振るい、国民の3分の1近くが必要な接種を終えたチリでさえ感染拡大を免れなかった。

Handling the Covid Era

Latin America, South Asia and parts of Europe have fallen behind in Covid recovery

Note: A higher Bloomberg Covid Resilience Score indicates a better outcome

  早期に迅速なワクチン接種を進めたおかげでイスラエルなどは感染者が顕著に減少したが、油断は禁物だと専門家は警告する。国民の55%超が必要な回数のワクチン接種を受けたイスラエルの4月の順位は4位。

  ワシントン大学医学部の保健指標評価研究所(IHME)で公衆衛生の戦略責任者を務めるアリ・モクダッド氏は「問題は全く終わっていない。長引けば長引くほど、新たな変異株が発生する確率が高まる。そうなると新たなワクチンや追加免疫が必要になり、一からやり直しになる」と話した。

  多くの場所で変異株がワクチンの普及を上回るペースで拡大する中、アジア太平洋地域は新型コロナの抑制に比較的成功し、経済面での優位が続いている。番付トップスリーを占めるシンガポール、ニュージーランド、オーストラリアでは海外旅行を除けば、新型コロナ前の生活の質が維持されている。ウイルス流入を防ぐため、海外旅行は基本的にできない。

Wrong Direction

Covid infections and deaths have both picked up pace worldwide

  世界の多くの国・地域でワクチン供給は全く不十分だ。米国や日本などの豊かな国が、効果が高く需要が大きいメッセンジャーRNA(mRNA)技術によるワクチンを大量確保している一方、ワクチン製造で世界トップのインドと中国は自国の人口に十分な量を生産できていない。アストラゼネカとジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンは副反応を巡る懸念から接種をためらう国もある。

  経済再開への取り組みがどうなるかや、ワクチン接種と変異株が広がるスピードの行方が5月のランキングを決める鍵になるだろう。

原題:The Best and Worst Places to Be as Variants Outrace Vaccinations(抜粋)

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