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アルケゴス銘柄の中国GSX、空売り勢は批判-株価反発期待も

  • GSX創業者の資産は1月のピークからほぼ約1兆4000億円減少
  • 「GSXが詐欺であることを示す証拠の山は圧倒的」-グリズリー

中国の貧しい村で生まれ教師から世界有数の富豪になったラリー・チェン氏にとって激動の数週間だ。

  中国でオンライン学習事業を展開するGSXテクエデュ(跟誰学)の米国預託証券(ADR)は1月後半以降80%余り下げた。求められた追加担保差し入れ(追い証)に応じられず金融市場を動揺させたビル・フアン氏のアルケゴス・キャピタル・マネジメントはGSXに大きく投資していた。 

ブロック取引に巻き込まれた中国GSX、創業者が一晩で3400億円失う

Larry Xiangdong Chen,Nan Shen,Anthony Rinaldi

ラリー・チェン氏(左、ニューヨーク証券取引所で、2019年)

  マディ・ウォーターズ・キャピタルのカーソン・ブロック最高経営責任者(CEO)ら空売り投資家は昨年からGSXを巡り警告を発していた。GSXが発表した直近の決算は予想より大きな赤字となった。

   グリズリー・リサーチは今月、GSXで働く教師の数と資格について疑問を呈するリポートを公表し、監査法人のデロイトに対しGSXの年次報告書について監査意見を表明すべきではないと主張した。

  ブルームバーグの富豪番付によれば、GSXを2014年に創業したチェン氏の資産は1月のピークからほぼ130億ドル(約1兆4000億円)減り30億ドルとなった。

「自己批判」

  GSXが本社を置く北京で22日に開催されたバーチャルイベントでチェン氏(49)は「人生はゲームのようなものだ。楽しまなくてはいけないし、勝たなくてはいけない」と述べた。

  同氏は最近の株価急落については触れず、成長を続け「生徒とその両親との信頼を大切にするため」全力を尽くす必要があると発言。「われわれは自己批判や飛び交ううわさに焦点を絞るべきか」と自問すると、「間違いなく、自己批判に重点を置くべきだ」と述べた。

  GSXの株価が回復すると考えるアナリストもいる。招商証券のトミー・ウォン氏(香港在勤)は、新型コロナウイルス危機がオンライン教育需要を膨らませる中で、規制リスクの高まりはあるもののGSXのような企業が中国で「大きな市場」を開拓したと指摘。「GSXには潜在的な課題を乗り切るための強力なバランスシートがある」として22日に投資判断を「買い」に引き上げた。

  JPモルガン・チェースのDS・キム氏も今月、GSXの投資判断を引き上げた。「無数の不確実性」にもかかわらずテクニカルな売り圧力が低下するとみている。IHSマークイットによると、GSX株の空売り比率は3月の75%近くから26%に低下している。

  空売り投資家はGSXの事業を詐欺と呼ぶが、19年6月の取引開始以後、同社のADRは急上昇。ただ、昨年9月には米証券取引委員会(SEC)が4-6月(第2四半期)の決算発表を調査していると開示。翌月にはGSXの新規株式公開(IPO)を支援したクレディ・スイス・グループが競争激化などを理由に投資判断を引き下げた。11月になるとGSXは市場予想を下回る売上高見通しを公表した。 

「悲しい話」 

  JLウォーレン・キャピタルの創業者でCEOのチュンホン・リー氏は今月、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「本当に悲しい話だ」と語った。非常に多くの独立系調査会社がGSXを調べ、「この会社はほとんど詐欺」と同じ結論に達していると説明した。

  グリズリーは8日のリポートで、「GSXが詐欺であることを示す証拠の山は圧倒的」だとし、デロイトが20年の決算を承認した場合、同社は「重大な過ち」を犯すだろうと結論付けた。

  GSXはこのリポートには「多数の間違いと根拠のない記述、情報の誤った解釈が含まれている」と反論する発表文を出した。  

  この記事の取材でGSXにコメントを求めたが、返答はなかった。

  北京市市場監督管理局はウェブサイトに25日掲載した声明で、GSXなど教育関連企業に50万元(約830万円)の罰金を科したと発表。顧客勧誘などで虚偽か誤解を招く価格情報を提示したとしている。

原題:Bill Hwang Implosion Bruises Billionaire Teacher From China (1)、Beijing Fines GSX, Other Education Firms for Pricing Violations(抜粋)

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