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緊急事態宣言で「景気後退」、本格回復は22年に持ち越しとの見方も

  • 給付金や資金繰り支援で不況深刻化を防ぐことが肝要-みずほ証
  • 宣言中を「ワクチン接種強化」に、財政面も支援すべきだ-大和総研

3回目の緊急事態宣言発令により4-6月期の実質国内総生産(GDP)は2期連続のマイナス成長となり、「事実上の景気後退(テクニカル・リセッション)」となる可能性が出てきた。 

GDPへの影響の推計

GDP押し下げ年間GDP対比(%)
みずほ証券4000億円0.1%相当
第一生命経済研究所4460億円
大和総研6000億円
野村総合研究所6990億円0.13%

  みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは23日付リポートで、4都府県への宣言発令で経済損失は0.4兆円程度と試算。ワクチン接種や医療体制拡充が進まなければ感染抑制効果の薄い「緊急事態宣言の名を冠した営業自粛要請」が繰り返され、「日本経済の本格回復は2022年度に持ち越されることになる」と指摘した。

  宣言の影響を最小限に抑えるには、持続化給付金や資金繰り支援、雇用調整助成金を継続し「連鎖破綻・貸しはがし・雇用崩壊を伴うスパイラル的な不況の深刻化を防ぐことが肝要となる」とも主張した。

  緊急事態宣言は25日から5月11日まで、東京・大阪・兵庫・京都の4都府県で発令される。酒類を提供する飲食店の休業やイベントの無観客開催など、飲食店への時間短縮要請が中心だった1月の宣言より強い内容だ。

GDPの推移

出所:内閣府(2020年までは実績、2021年はブルームバーグ集計のエコノミスト予想中央値)

  大和総研の神田慶司シニアエコノミストは22日付リポートで、宣言1カ月の経済下押し効果は、4都府県で0.6兆円程度と試算した。神奈川・埼玉・千葉を含めた7都府県で同0.8兆円程度、全都道府県で1.6兆円程度。実質GDPは「4-6月期にV字回復するどころか、前期比で2四半期連続のマイナスとなる可能性がある」との見方を示す。

  神田氏は変異株の流行により、「4度目、5度目の宣言が発出される可能性は否定できない」と分析。政府は宣言中を「ワクチン接種強化期間」と位置付け、欧米に比べて見劣りするワクチン接種を財政面からも手厚く支援すべきだと指摘した。

3回目の緊急事態宣言へ、酒提供で休業要請-25日から5月11日

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