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欧州サッカー「スーパーリーグ」、非難の嵐がJPモルガン巻き込む

  • JPモルガン、新リーグ創設に40億ユーロの資金支援提案していた
  • スーパーリーグは参加予定チームの半数以上が撤退、頓挫が決定的

革命への資金を出すのは常に危険を伴うビジネスだ。欧州サッカーの名門12クラブが計画した「欧州スーパーリーグ(ESL)」創設を巡る非難の嵐に、世界最大級の銀行が巻き込まれている。

  米銀JPモルガン・チェースはこのESLに40億ユーロ(約5200億円)もの資金を支援することで合意していた。計画では、新たな人気リーグ発足で参加クラブには長期にわたって試合の権利と収入が保証され、JPモルガンはその中心に位置するはずだった。

  提案された資金計画の規模から、JPモルガンは数百万ドルの手数料が約束されていたとみられる。しかしファンや選手、政治家の猛反対で参加を予定していたクラブの大半が計画を撤回し、ESLは失敗に終わる雲行きとなった。JPモルガンは資金計画を提案したことの悪影響を計算しなくてはならなくなった。地元に根付いた伝統スポーツを一変させる試みが反発を買う可能性を、新リーグ構想は過小評価していたようだ。

  英ウェストミンスター大学のスティーブ・グリーンフィールド教授(スポーツ法)はESLについて、「協調は見られず、熟慮したとは考えにくい」とし、「ビジネスに基づいた構想で、スポーツとしての視点が欠けている」と指摘した。

  1-3月に四半期として過去最高の143億ドル(約1兆5500億円)純利益を上げたJPモルガンにとって、ESLが頓挫してもあまり大きな打撃にはならないだろうが、タイミングは良くない。同行は今年、英国で「チェース」のブランドで個人向けのインターネット専業銀行を創業する計画で、消費者事業を初めて米国外に拡大させる考えだ。

スポーツとの関連

  JPモルガンは長年かけて欧州サッカー業界との関係を深め、今回の資金計画は同行のレバレッジド・ファイナンス・チームがまとめた。ESL参加を表明していたクラブのいくつかはJPモルガンの顧客で、ESL構想を率いたフロレンティーノ・ペレス氏が会長を務めるレアル・マドリードとは特に強い関係にある。

Soccer Football Super League GETTY sub

ロンドンのサッカースタジアム「スタンフォード・ブリッジ」の外に集まり、「スーパーリーグ」反対を叫ぶ人々(20日)

Photographer:Adrian Dennis/AFP/Getty Images

  JPモルガンの在英広報担当者は、ESL頓挫の可能性と同行の役割についてコメントを控えた。

  事情に詳しい関係者によると、JPモルガンはESLの成否はサッカー界の反応次第だと常に認識し、結果に対しては実利主義的な考えだ。同行の委員会は信用リスクや受益者、ビジネス力学と同様に状況を見ており、評判は一つの側面にすぎないと、この関係者は説明した。

  それでも批判の一部は無視しがたいものとなりつつある。少なくとも2人のバンカーは、騒動のエスカレートで身の安全が心配だと語った。

原題:
JPMorgan Gets Caught Up in Europe’s Big Soccer League Blunder(抜粋)

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