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ハラスメントと恐怖が2件の自殺と関連か-欧州投資銀に根深い原因

  • ルクセンブルク本部から飛び降り自殺、7年で2件目
  • 心理学者はハラスメント多発や「不健全な恐怖の環境」を指摘

欧州投資銀行(EIB)のルクセンブルク本部から飛び降り自殺が再び発生したのは衝撃的なニュースだった。同じ本部からの飛び降りはここ7年で2件目だ。

  昨年12月の寒い雨の朝に、EIBでバックオフィスアシスタントとして働いていた51歳の女性職員が本部ビルのバルコニーから飛び降りた。警察は原因について何も発表していないが、従業員の心の健康について経営陣と話し合ってきた職員の代表団は懸念を強めた。2013年にはインターンが本部の別のビルから飛び降りている。

  代表団はホイヤーEIB総裁に宛てた1月12日の書簡で、「比較的短い期間に」EIBの職場で2件の自殺があったことは「もはや無視できない明らかな危険信号だ」とし、「一部職員が自殺を考えるに至るような根の深い原因」を調査・分析するよう呼び掛けた。

  代表団は2件の自殺と職場環境に関係があると考えている。2016年に職員のカウンセリングのために採用された心理学者2人が内部報告書で、職員の「自殺リスク」を警告していたからだ。心理学者らは性的なものを含むハラスメント(嫌がらせ)の多発や、苦情を言いにくい「不健全な恐怖の環境」を指摘していた。ブルームバーグ・ニュースが報告書を確認した。

  EIBは欧州連合(EU)加盟国に特定の開発目標を推進するプロジェクトの資金を配布する組織で、その目標の中には男女平等も含まれている。しかし高い理想を掲げる一方でセクハラやいじめ、差別が罰せられることもなくまかり通っている現実を、現・元職員20数人余りとのインタビューや内部文書などが示した。

  それによると、この現・元職員は心理的虐待を含めた嫌がらせを目撃したか被害を実際に受けた。不適切な言葉を投げかけられたり、一方的に性的な誘いを受けたりした人もいる。インタビューに応じた人のほとんどが報復を恐れて匿名を求めた。3500人のスタッフの約半分を占める女性は、資格で劣る男性の同僚に昇進で先を越されたり、出産の後にキャリアが頓挫したりしたという話も聞かれた。EIBでの勤務で自殺を考えるようになったという人も10人いた。

  EIBはブルームバーグの質問に対する17ページの回答で、2件の自殺のいずれも仕事と関係があったことを示す証拠はないとし、最近の数年で「男女平等については近年大きな進歩があった」と主張。この春には職員の「心理社会的リスク」の調査が計画され、年内には自殺防止研修を含む新たなメンタルヘルスプランを導入すると説明した。

Belgium European Investment Bank

ホイヤーEIB総裁

Photographer: Geert Vanden Wijngaert/AP

原題:
Harassment Claims and Fear Haunt EU’s Investment Bank: Big Take(抜粋)

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