日本株大幅安、コロナ深刻化懸念で投資家心理悪化-電機や自動車安い
伊藤小巻
更新日時

東京株式相場は大幅安。国内で新型コロナウイルス感染が変異株の拡大で勢いを増し、経済に悪影響を与える懸念が広がっている。米ハイテク株安も加わり投資家心理が悪化、電機や自動車、機械、情報・通信、化学などを中心に東証33業種中32業種が下げた。
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市場関係者の見方
SMBC信託銀行の佐溝将司シニアマーケットアナリスト
- 国内の新型コロナ感染拡大は株式市場に影響してこなかったが、相対的に米欧などの諸外国と比べた時にあまりにもワクチン接種が遅れる中、3回目の緊急事態宣言発令の話もありさすがに悪材料視されてきた
- 日経平均は75日移動平均線の2万9100円前後を昨年来大きく割れることなくきており、2万9000円を割れてしまうと調整色が強まる可能性は高くなる
- ただ、世界の景気敏感株といわれるくらい日本企業は海外で利益をあげており、重要なのは海外景気が正常化に向かっていくことで、国内要因での売りが何日も続くとは思っていない
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長
- ドル安の理由は、単純に3月にかけて金利上昇でドル高となった反動だろう、世界的にインドでも新型コロナ感染がぐいぐい広がっており楽観的になり切れない
- 緊急事態宣言が再発令されても株価への影響は限定的だが、気候が暖かくなる中での感染拡大は想定外で、変異株への警戒感ある
- とはいえ、全面的に経済を止める状況ではなく、倒産や失業が急に増えるわけでもなくセンチメントの問題
東証33業種
下落率上位 | 空運、不動産、倉庫・運輸、機械、電機、建設、その他金融、輸送用機器、食料品 |
上昇率上位 | 海運 |
背景
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