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米国債、弱気派には厳しい環境-10年物利回り1.2%に低下の観測も

  • 値下がりすれば買いたい向きにも痛み-利回り上昇なく高値で買いも
  • 米国債相場は今月約1%上昇し年初来の下落率は約3.3%に縮小

米国債の下落を見込むポジションを構築したり現金に退避して値下がりを待っている投資家にとって先週は、経済指標が米景気回復の勢いを示したにもかかわらず、厳しい1週間だった。

  米国債の先行きを巡る議論は、終わったというには程遠い。2021年に入って主流だった弱気な見方は先週、週ベースで昨年8月以来の大幅値上がりから打撃を受けた。利回りが一時的にさらに低下する可能性を指摘するストラテジストもいる。

  10年物米国債利回りは15日、1.5%強に低下した。2%突破の観測が渦巻いた数週間前と様変わりだ。海外からの強い需要を示すデータを受け、一部投資家はショート(売り持ち)ポジションを減らし、相場上昇に拍車が掛かった。強い経済指標への米国債の通常反応に逆行した動きに見えた。

  今週は主要な経済データの発表がなく、連邦公開市場委員会(FOMC)当局者らは来週の金融政策決定を控えて発言しない。 地政学的緊張の高まりもあり、米国債弱気派への追い風は吹きそうもない。さらに、増税が含まれる可能性のある米国の追加支出計画には不透明な部分があり、ジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナウイルスワクチンの使用一時停止が経済再開の期待に影を落とす。

  スタイフェル・ニコラウスのストラテジスト、クリス・アーレンス氏は「利回り低下はもちろん、上昇しないことさえ、今や痛みをもたらしているようだ」として、「多くの金融機関は現金を大量に持ち、より高い利回り、つまりより安い価格が米国債市場に戻ってくることを期待して待っていたが、今やより高い価格で購入することを余儀なくされている」と話した。

Treasuries are still under water in 2021

  ブルームバーグ・バークレイズ指数の15日までのデータによると、1980年以降で最悪となった四半期の後、米国債相場は今月約1%上昇し、年初来の下落率は約3.3%に縮小した。10年債利回りは3月終わりに付けた約1年ぶり高水準から20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度低下している。

  ヘッジファンドは年初以降に米国債を大量に売っており、リテール投資家も債券より株式ファンドに資金を投じた。しかし今、金利市場の一角に米国債に強気の動きが現れ、5年物米国債利回りが0.55%に低下することや30年債利回りの2.1%への低下を見込むオプションの需要が表面化している。

ヘッジファンド、今年の米国債売りの主役-年初来1000億ドル超

  「ザ・セブンス・リポート」ニュースレターを創設した元メリルリンチのトレーダー、トム・エッセイ氏は米国債利回りがさらに低下し10年物が1.2%になる可能性があるとみている。

  同氏は電話で「市場は現在、非常に良好な経済データを無視しているため、利回りが再び上昇するきっかけはインフレ率の急上昇か、米金融当局からのややタカ派的な論調のいずれかだ」とした上で、「非常に短期的にはいずれも現実化するとは思われない」と指摘した。長期的にはなお、利回り上昇を予想しているという。

  ブルームバーグ調査の中央値で、10年債利回りの年末予想は1.86%。

原題:
Bets Against Treasuries Start to Pinch in Tough Week for Bears(抜粋)

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