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ファミリーオフィスにSPACブーム、800%のリターン狙う

  • 2020年初め以降に約600社のSPACが1820億ドル以上を調達
  • ファミリーオフィスは少なくとも十数社のSPACのスポンサーに

富豪のカレン・プリツカー氏の資産を管理するプリツカー・ブロック・ファミリー・オフィスは、特別買収目的会社(SPAC)のシンブル・ポイント・アクイジションのアンカー投資家になった。シンブル・ポイントは2月の新規株式公開(IPO)で約3億ドル(約330億円)を調達したが、同ファミリーオフィスはそれに先立ち5000万ドルの資金を約束した。

Karen Pritzker GETTY sub

カレン・プリツカー氏

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、2020年初め以降にSPAC約600社が1820億ドル以上を調達している。SPACブームの推進役は大規模投資家や元政治家、スポーツ選手、有名人だが、中でもファミリーオフィスは最大の原動力の一つだ。

  ファミリーオフィスと関連会社は過去1年に少なくとも十数社のSPACのスポンサーとなり、これらSPACは約45億ドルを集めた。ブルームバーグのデータによれば、さらに10億ドル相当のIPOが控えている。

  元ヘッジファンド運用者のダン・オク氏や米不動産投資会社スターウッド・キャピタル・グループのバリー・スターンリヒト会長兼最高経営責任者(CEO)のファミリーオフィスが特に活発だ。

  シティ・グローバル・ウェルスの欧州・中東・アフリカ(EMEA)責任者、ルイージ・ピゴリーニ氏は「洗練されたファミリーオフィスは非常に積極的だ。信じられないほどの人脈と知識、投資能力を持っており、これらは全て重要な要素だ」と話した。

  スポンサーは通常、SPACのIPOでの通例である1単位当たり10ドルよりもはるかに安い価格で持ち分を取得し、IPO後のその比率は20%前後のことが多い。例えば昨年10月に宇宙輸送サービスのモメンタスとの合併で合意したSPACのステーブル・ロード・アクイジションのスポンサーは約500万ドルで取得したが、その価値は合併完了後にモメンタスの株価が10ドルのままでも9倍余りとなり、800%のリターンが得られることをブルームバーグのデータが示した。

  スポンサーはまた、SPACへの融資や株式ファイナンス、株式オプションを通じてリターンを高めることもできる。届け出資料によると、このスポンサーの背後にいるファミリーオフィスは同SPACに30万ドル融資したほか、1単位当たり10ドルで300万ドルを追加投資することに合意している。ステーブル・ロードの15日終値は10ドルを上回っている。

  同社の広報担当者はコメントを控えた。

原題:
Family Offices Are Targeting 800% Returns With SPAC Economics(抜粋)

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