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ハーバード出身の2人が意気投合-グラブ、SPAC合併通じ上場へ

  • グラブのタンCEOがアルティメーター創業者に出会ったのは今年
  • ソフトバンクGの孫正義氏とは引き続き親密な関係-タン氏

東南アジアの配車サービス大手グラブ・ホールディングスを2012年に設立してから数年後、 アンソニー・タン最高経営責任者(CEO)はアリババグループ共同創業者の馬雲(ジャック・マー)氏から人生は津波だというアドバイスを受けた。波に乗っているときにクラッシュに備えよというものだった。

  20年に全てが起きた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でロックダウン(都市封鎖)が東南アジア中に広がった。配車需要は急減。インドネシアの同業ゴジェックとの合併交渉も昨年12月ごろに決裂した。

  上場をあきらめきれなかったタン氏だったが、今年に入りシリコンバレーの投資家ブラッド・ガースナー氏を紹介された。アルティメーター・キャピタル・マネジメントの創業者だ。2人には大きな共通点があった。2人とも米ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)で学び、安楽な道を歩む人生を選ばず、創業に賭けた。

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アンソニー・タン氏

  出会いから約3カ月で、2人は「ブランクチェック(白地小切手)会社」と呼ばれる特別買収目的会社(SPAC)を通じたグラブ上場を発表。世界最大規模となるSPACとの合併を経て、グラブは400億ドル(約4兆3500億円)近い企業価値があるとの評価で米国に上場する。グラブにはソフトバンクグループが出資。孫正義氏は早い時期から熱心にグラブを支援していた。

  「1年前、世界は終わりそうに見えた。起業家はこんなクレージーな絶頂とどん底を経験する」とタン氏(39)はズームでのインタビューで語った。

  タン氏によれば、同氏と出会ったガースナー氏(49)はすぐに何人かの共通の友人に電話をした。不動産サイト運営の米ジロー・グループを率いる起業家リッチ・バートン氏や配車サービスの米ウーバー・テクノロジーズのダラ・コスロシャヒCEOらだ。タン氏はガースナー氏の「面接」に合格したのだ。

ソフバンクG出資グラブ、米国上場へ-SPACと過去最大規模の合併

  マレーシアの裕福な実業家の家に生まれたタン氏は09-11年のHBS在学時にグラブを創業する着想を得た。ガースナー氏がHBSで学んだのは1999-2000年。同氏は米インディアナ州の小さな町で著名投資家のウォーレン・バフェット氏を尊敬しながら育った。

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ブラッド・ガースナー氏

  ガースナー氏は、08年に起きた世界的な金融危機のさなかに友人や家族から300万ドルを集めてアルティメーターを設立。今は上場・未公開のテクノロジー企業に投資し、約150億ドルを運用。オンライン旅行会社の米エクスペディア・グループやウーバー、ソフトウエアの米スノーフレイクなどに出資している。

  タン氏は19年、ソフトバンクGが開いた東京での会議に出席。孫氏に「AI(人工知能)時代の新しいスーパースター」と紹介されると深々とおじぎをした。

  ソフトバンクGはグラブに約30億ドルを投じたが、事情に詳しい関係者によると、ソフトバンクGがグラブにゴジェックと合併するようプレッシャーをかけた後、孫氏との関係は冷え込んだという。

  孫氏とは引き続き親密な関係だとタン氏は言う。ズームでのインタビューの間、タン氏は携帯電話を取り出すと、アルティメーター側との合併について孫氏が送ってくれたというメールを読み上げた。「アンソニー、アップデートしてくれてありがとう。 IPO(新規株式公開)が順調に進んでいると聞いて本当にうれしい」という内容だった。

原題:Harvard Pedigrees Opened the Door to World’s Biggest SPAC Deal(抜粋)

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