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中銀デジタル通貨、将来の決済システムの一部になる可能性-日銀局長

  • 日銀の対応は遅れていない、デジタル人民元の世界席巻はない
  • 民間との共存の形を作る、周辺機能は利用・保有上限など優先
デジタル人民元が「世界を席巻することはない」- 日銀局長

日本銀行の神山一成決済機構局長は、情報通信技術の発展を受けて中央銀行デジタル通貨(CBDC)が将来の決済システムの一部になる可能性があるとし、その必要性や実現性は従来より高まっているとの見解を示した。

  神山氏は14日のインタビューで、CBDCについて「日銀として具体的な発行の計画がないことに変わりはない」としながらも、さまざまな領域でデジタル技術が進展しており、CBDCが社会に適合した新たなサービスとして「将来の決済システムの一つのパーツになる可能性は相応にある」と語った。

  民間事業者がデジタル通貨の開発に取り組む中、効率性・安全性の高い決済システムの構築に向け、中央銀行が基盤部分を提供すべきだとの議論は「以前よりも世界的に強まっている」と指摘。民間事業者が知見や技術を生かして中銀の基盤を活用した新たな決済サービスを作り上げることに期待しており、「CBDCと民間のサービスが共存・補完し合う形をしっかり作っていかなければならない」と述べた。

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  日銀はCBDCへのニーズが急激に高まる可能性も踏まえ、今後の環境変化に的確に対応するため必要な準備を進める方針だ。4月から実証実験を開始しており、第1段階では発行や流通など決済手段としての基本機能を検証する。2022年度からは周辺機能を付加して実現可能性を検証する第2段階に入る。

利用が拡大

日本でのキャッシュレス決済比率の推移

出所:ニッセイ基礎研究所の推計

  神山氏は具体的な付加機能について、金融システムへの影響や資金洗浄(マネーロンダリング)防止への対応をにらんだ保有上限・利用上限のほか、外部システムとの接続などにも「優先して検証に取り組みたい」との考えを示した。

  実証実験の際に民間事業者や政府との協議の場となる連絡協議会に関しては、第2段階で参加者が現在の金融機関や資金決済事業者から多様化する可能性に言及した。民間事業者や消費者も参加するパイロット実験を視野に入れながらも、現段階で「スケジュールや具体的な内容についてイメージは持っていない」と語った。

  CDBCの実用化を巡っては、既にパイロット実験を行っている中国のデジタル人民元が先行し、日本の取り組みは遅いとの指摘もある。

  神山氏は、他の主要中銀などと連携した実験や議論を踏まえれば「日銀が遅れているという認識はない」と主張。決済システムの進化に不断に取り組むことが重要とし、各国中銀が対応を続ける限りデジタル人民元が「世界を席巻することはないだろう」との見方を示した。

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