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米金融当局、一時的物価上昇後の反転警戒も-容易でないトレンド変容

  • 3月の米消費者物価は大幅上昇もインフレ抑制の構造的要因は残る
  • 2%のインフレ期待定着には人々の考え方を変える必要性との指摘も

米金融当局者にとって、インフレ率が低過ぎても高過ぎても心配の種であるのは確かだ。

  経済活動が再開し、需要が増大するのに伴い、現在注目を浴びているのは物価上昇だ。だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が収束すれば、世界的にコストを抑制してきた長期的なトレンドが再び台頭する可能性があると、当局者の一部は警告する。

  そのような状況になれば、インフレ率が2%を上回るのを一定期間容認して、当局の物価目標を長期的に達成するという、金融政策の新たな戦略の遂行は一層困難になる。

  ボストン連銀のローゼングレン総裁は今週のブルームバーグ・ニュースのインタビューで、「金融政策の新たな枠組みがない場合よりも成功の確率は恐らく高まっている」としつつも、過去10年間の経験を踏まえれば、「インフレ率2%の達成は容易でないという見方を真剣に捉える必要がある」と強調した。

ボストン連銀総裁、インフレ目標下振れと上振れの両方のリスク

Yesterday's Problem -- Or Tomorrow's?

It's been decades since inflation was a pressing issue in the rich world

Source: Organisation for Economic Co-Operation and Development

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日、ワシントンのエコノミック・クラブが主催するイベントで講演する予定で、投資家はこの話題について当局者の見解にさらに接する機会となりそうだ。

  3月16、17両日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によれば、「前回の景気拡大局面で低インフレにつながった複数の要因が再び、予想よりも大きなインフレ下押し圧力となる可能性があると、幾人かの参加者はコメントした」という。

  一方で、3月の米消費者物価指数(CPI)の大幅上昇は、インフレを巡るリスクには上振れ、下振れの両面があることをあらためて浮き彫りにした。

米消費者物価指数、予想上回る上昇率-2012年以来の大幅な伸び

  ローゼングレン総裁は「インフレ予測に関しどの程度の自信を持つかについて、われわれはかなり謙虚であらねばならない」としている。

Markets pricing in not-too-hot inflation for years to come

  米金融当局の観点からは、インフレ率を低水準に抑える一連の潜在的要素が挙げられる。まだ大勢の米国民が失業状態にあることに加え、労働者の賃金交渉力の弱さ、労働力の高齢化などが総需要の伸びと物価の伸びを抑制する可能性がある。ワクチン接種が進んでも、新型コロナ禍で定着した人々の行動パターンはなかなか変わらないかもしれない。

  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のエコノミスト、ティファニー・ワイルディング氏は「過去10年の人々の考え方と経験を変えることに他ならない。人々のインフレ期待を当局目標の2%前後に定着させるには、これを上回るインフレが一定期間、恐らく数年続く必要があるだろう」との見解を示した。

原題:Fed Is More Worried by Inflation Running Too Cold Than Too Hot(抜粋)

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