, コンテンツにスキップする
Photographer: Michele Limina/Bloomberg
cojp

お金になるヘッジファンド関連ビジネス、アルケゴスで見直し必至

更新日時
  • 野村とクレディSは関連部門でファイナンシングの抑制に動き始めた
  • 欧米の監督当局もそれらの顧客に資金を融通する際のリスクを注視

そのポジションが先月破綻を来すまで、ビル・フアン氏のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントについて耳にした人は、ウォール街でもほとんどいなかった。しかし、今やその影響がグローバル金融機関に波及し、長年大きな利益を生んできたビジネスの在り方を見直さざるを得ない状況となった。

  関係者からの情報などを総合すると、アルケゴスのポジション解消で最も打撃を受けた野村ホールディングスクレディ・スイス・グループは、ヘッジファンドとファミリーオフィスに対応する部門でファイナンシング(資金提供)を抑制し始めたもようだ。欧州の規制・監督当局は金融機関がこうした顧客に資金を融通する際のリスクを注視し、米当局は今回の大きな失敗に関する予備的調査を開始した。

野村、ヘッジファンド向け資金提供を厳格化-アルケゴス損失受け

  通常は大手投資銀行の株式部門の傘下にあるこれらのビジネスは、ファンドに資金や証券を提供するほか、ファンドの取引も実行し、そのような関係は投資銀にとって極めて重要となり得る。だがアルケゴスのポジション破綻によって、融資に担保の裏付けがあったとしても、これらの顧客に対し金融機関が負うリスクが浮き彫りになった。

  これまでに明らかになった金融機関の関連損失は、クレディ・スイスが最も大きく、1-3月(第1四半期)に47億ドル(約5120億円)の減損計上を余儀なくされた。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、欧州最大のプライムブローカーの一つである同行は、今後数カ月でプライムブローカレッジ部門を大幅に縮小することを検討。フアン氏が用いていたデリバティブ(金融派生商品)、スワップ契約についても、プライムブローカレッジの他の契約のより制限的条件に合わせる形で、証拠金の変更を顧客に既に求めたという。

  一方、米国の規制・監督当局は新たなルールが今後導入される見通しを非公式ながら示唆している、米証券取引委員会(SEC)の当局者はヘッジファンドからのトレーディング情報開示を優先する意向を金融機関に示し、リスクとレバレッジへの対応手段も探っている。

  2008年の世界的な金融危機のさなかに米連邦預金保険公社(FDIC)総裁を務めたシーラ・ベアー氏は今回の問題が表面化した後、「規制金融機関のプライムブローカレッジ部門(それに規制・監督機関)にとって、高度にレバレッジを利用するヘッジファンドとの関係を見直すきっかけになってほしいものだ」とツイートした。

  関係者によると、欧州中央銀行(ECB)も域内最大手のドイツ銀行BNPパリバに対し、ヘッジファンド向けエクスポージャーに関する追加情報を要求した。

  ECBのシュナーベル理事も、先週の独誌シュピーゲルとのインタビューで、「金融機関がどうしてファンドがあれほど巨額の借り入れをできるようにしたのか入念な検討が必要だ」との認識を示した。

原題:Archegos Ripples Through Banks’ Lucrative Hedge Fund Units (1)(抜粋)

(欧米の監督当局の動向などを追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE