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景気過熱の可能性示す手掛かり、インフレ指標だけが頼りの存在か

  • 財政赤字や公的債務、インフレ招かぬ最大限の雇用など影響力失う
  • 政策の根拠は「見通し」でなく「結果」とブレイナードFRB理事

経済学の世界ではこれまで、ある国や地域の景気拡大ペースが、何らかの制限速度に近づいていると判断するのに、幾つもの目安を用いてきた。しかしその数は徐々に減って、実際に意義があると見なされるのはインフレ指標に絞られつつある。

  このため、多額の公共支出や超低金利など、新型コロナウイルス禍の下で導入された拡張的な措置について、そろそろブレーキをかけるべき時だと当局者が認識する手掛かりは、インフレの持続的な高進となりそうだ。単月の数字だけでは不十分だとしても、13日に発表される3月の米消費者物価指数(CPI)が注目されているのには、こうした理由がある。

Yesterday's Problem -- Or Tomorrow's?

It's been decades since inflation was a pressing issue in the rich world

Source: Organisation for Economic Co-Operation and Development

  一方で、ある水準まで達すれば警報を発すると考えられてきた財政赤字や公的債務残高については、多くの国々が主に過去1年にこうした限界を突破してしまったが、破綻を来すことはなかった。景気過熱をもたらすことなく達成可能とされた最大限の雇用水準である「完全雇用」についての推計も、正確さを欠くことが分かった。

  また、需給ギャップの指標は、経済がどれほど生産能力いっぱいに近づいているかを捉えるものと想定されたが、有用な指針とするのはあまりにも近年のデータに依存し過ぎであるとの結論をアナリストの多くが下している。

  そして、これら一連の目安を捨て去るか、その重要性を否定することは、過去の景気拡大を中断させたような予防的措置を当局が講じる可能性が低下することを意味する。

  先の金融危機の後、米金融当局はインフレが抑制され、失業率がまだ5%前後である段階で利上げを開始した。だが、失業率が改善しても物価上昇につながらなかったことで、金融当局者もこうした政策が誤りであったと事実上認めている。

Room to Run

The decade before Covid-19 showed the U.S. economy could keep creating jobs without triggering inflation

Source: Bureau of Labor Statistics

  ブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事は先月の講演で、「結果」と「見通し」を計3回対比した上で、当局の政策の根拠とするのは見通しではなく、結果の方であると強調した。

Wrong Track

The CBO has consistently overestimated government borrowing costs

Source: Congressional Budget Office


原題:Inflation Is the Only Signal That the Post-Covid Boom Will Heed(抜粋)

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