Fリテイリ:今期営業益予想2550億円に増額-国内外ユニクロ好調
黄恂恂、Lisa Du-
下期のユニクロ事業、国内外で増収増益の見込み
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新疆綿を巡る問題について柳井氏は「ノーコメント」と回答
衣料品チェーンの「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは8日、今期(2021年8月期)の営業利益予想(従来2450億円)を2550億円に上方修正した。ブルームバーグが集計したアナリスト16人の営業益予想の平均2661億円を下回った。
上期(9ー2月期)の業績が好調だったほか、下期(3-8月期)には海外ユニクロ事業で中華圏を中心に大幅な増収増益を見込んでいるほか、国内ユニクロ事業も広告宣伝費の費用対効果改善などが奏功して増益となる見通し。

会見に臨む柳井会長兼社長(8日・都内)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
修正後の通期の業績見通し |
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第2四半期(12-2月期)決算の要旨 |
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海外ユニクロ事業では、下期に中華圏で値引率の調整による粗利益率改善や経費削減を見込んでおり、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で低調だった前期との比較で大幅な増収増益を見込んでいる。
国内ユニクロ事業では下期に既存店売上高が約8%増となる見通し。同事業では上期のいずれの月も、既存店とネット通販の売上高合計が前年同期を上回っていた。
中国の新疆ウイグル自治区で生産される「新疆綿」を巡り、使用の停止を明言した企業に対する不買運動が同国で起きていることについて問われると、柳井正会長兼社長は「政治的な質問にはノーコメント」と答え、人権問題については「全ての工場で監視している」と話した。
クレディ・スイス証券アナリストの風早隆弘氏は、批判した場合には中国政府から「問題視されるリスクがある」ことから、ウイグル問題で回答を控えるのは賢明な対応と評価する。同氏は来期に中国のユニクロ売り上げが国内を上回ると予想している。
上期の国内ユニクロ事業の売上高が4636億円だったのに対し、中国大陸に香港と台湾を加えた中華圏の売上高は2703億円だった。