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アサヒGH社長、成功体験を日欧豪3拠点で共有-主要5ビール世界へ

  • 世界販売で19位のスーパードライ、「10位入りを果たしたい」
  • 北米やインド市場に興味、負債削減した2024年以降に買収も

アサヒグループホールディングス(GH)の勝木敦志(61)社長兼最高経営責任者(CEO)は、買収を重ね欧州、オセアニア、日本の3拠点体制を構築した経営ノウハウを相互に浸透させ、グローバル市場でさらなる成長を目指す考えだ。「スーパードライ」など主要5ブランドの世界展開を強化する。

  8日に行われたブルームバーグとのインタビューで明らかにした。勝木社長は、これまで各拠点は「おのおので業績を伸ばしてきた」が、これからは「ベストプラクティスを共有し、グローバルで伸長させていく」と発言。具体例として、ポーランドで行っている需要予測に基づき販売を管理するレベニューマネジメントの国内での導入に意欲を示した。

New Asahi CEO Sees Post-Pandemic Bounce in Super Dry Beer Demand

勝木敦志社長(8日・都内)

Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg

  グローバルな成長を目指す上で同社長は、社員の配置に柔軟性を持たせるほか、共同購買などサプライチェーンの高度化、主要5ブランドの世界展開なども進めたいとし、現在はブランド別の販売数量シェアで世界19位のスーパードライについて、中国や欧州での主要都市の販売拡大を通じて2030年までに「10位入りを果たしたい」と述べた

  勝木社長は、過去に豪州事業のトップ在任中にスーパードライの販売量を5倍に伸ばした経験があり、その経験を他の市場でも生かせるとみている。同社はスーパードライのほかに「ペローニ・ナストロアズーロ」、「コゼル」、「ピルスナーウルケル」、「グロールシュ」をグローバル5ブランドに据えている。

  海外企業・事業のさらなる買収の可能性については北米のほか、インドなど南アジア、アフリカ市場に関心を寄せつつも、これまでの買収で負債が膨らんでおり、24年の負債圧縮目標を達成するまでは「大きな投資は控える」という。

  同社の純有利子負債/EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)倍率は20年12月末時点で6倍だが、24年までに約3倍に減らすことを目標としている。勝木社長によると、事業からのキャッシュ・フローの創出は順調で、今後大規模な資産売却や人員のリストラは検討していない。

  また、成長と経営の効率化に向け、情報技術(IT)の活用で業務や組織の変革を促すデジタルトランスフォーメーション(DX)や研究開発に合計で毎年100億円程度を投じる方針を明らかにした。

「国際派の第一人者」

  勝木社長は3月25日に専務兼最高財務責任者(CFO)から昇格した。前社長で、代表権のない会長兼取締役会議長に就いた小路明善氏(69)が総額約2兆4000億円を投じて進めたグローバル化を実務面で支え、小路氏からは「国際派の第一人者」と評されている。

  アサヒGHは小路体制の16年に英国の旧SABミラー(現アンハイザー・ブッシュ・インベブ)からイタリアとオランダ、英国事業を買収し、17年には中東欧5カ国のビール事業も取得。昨年6月にはアンハイザーから、豪ビール最大手のカールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズ(CUB)を買収した。

  みずほ証券エクイティ調査部の佐治広シニアアナリストは、アサヒGHが約1兆2000億円を投じて買収したCUBの統合を進め、「海外事業を安定成長軌道に乗せることが大きなテーマ」だと分析。豪州事業を率いた勝木社長の経験から、「経営トップの能力は発揮しやすい局面」とみている。

  英市場調査会社のユーロモニターインターナショナルによると、19年のビール世界販売額でアサヒGHは5位。前期(20年12月期)の海外売上高比率は39%、本業のもうけを示す事業利益に占める割合は49%となっている。CUBの買収を完了し、今期は事業利益の過半が海外になる見通しだ。

Asahi Beer Illustrations Ahead Of Full-Year Earnings Announcement

アサヒスーパードライ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

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