, コンテンツにスキップする

国債依存4割で積み上がる債務、金融緩和で利払い増を回避

  • 金融緩和の恩恵、債務残高3分の1の90年代より少ない利払い費
  • 金利1%上昇で国債費は毎年約1兆円増-財務省試算

過去最大の規模となった2021年度予算の歳入は4割を借金に依存し、先進諸国で最も高い債務水準をさらに押し上げる。償還や利払いなどに充てる国債費は、日本銀行による異次元緩和の効果で相対的に抑制されているものの、金利上昇に伴う財政へのリスクはくすぶったままだ。

  国際通貨基金(IMF)が7日公表した財政モニター(21年4月版)によると、日本の債務残高の対国内総生産(GDP)比は、先進諸国で最も高い250%を超える水準が当面続く見通し。新型コロナウイルス感染症に伴う財政支出は対GDP比15.9%に上る。

  国債費は一般歳出の約4分の1を占めている。もっとも、日銀によるイールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)で10年物国債利回りが0.1%程度と低位で推移する中、利払い費は債務残高が現在の3分の1未満だった1990年代後半よりも少ない。

国債費、一般歳出の4分の1を占める

償還費は14.3%、利払い費は8%

出所:財務省・2021年度予算

  今年に入り世界的な金利の上昇圧力に対して欧米中銀が警戒を強める中、日銀は3月の金融政策決定会合で長期金利の変動許容幅を上下0.25%程度と明示し、連続指し値オペ制度の導入を決定した。

  大和総研の神田慶司シニアエコノミストは、日銀は政策点検で「金利上昇を抑える姿勢を強く示した」と指摘。市場関係者が「天井を超えて金利の上昇を狙っていくとは考えにくい」とし、国債費が急増するような事態は想定していないという。

積み上がる公債残高

出所:財務省(19年度までは実績、20年度は補正後予算、21年度は当初予算)

  格付け会社のフィッチ・レーティングスは、今後数年は低い金利水準にとどまるとの想定の下、債務比率は23年に258.6%でピークに達し、その後緩やかな下降軌道に転じると予想。もっとも、「高い債務比率のために、日本経済は将来の金融環境の引き締まりの影響を受けやすくなっている」と分析する。 

  財務省は、10年物国債金利が現在の想定より1%上昇すると、国債費は毎年約1兆円増加し、借り換えが一巡した段階では10兆円増加すると試算する。

  金融緩和が縮小に向かう局面で債務状況が悪ければ金利に上昇圧力がかかりやすく、大和総研の神田氏は「財政健全化を早めにやった方が良い」と語った。

金利低下、利払い抑制

出所:財務省(19年度までは実績、20年度は補正後予算、21年度は当初予算)

関連記事
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE