バークシャーが円債の需要調査を開始、8日に起債予定-主幹事
間一生-
日本国債上回る格付けを取得予定、利率は国内社債比で高めの見込み
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日本の5大商社株の取得公表時に価格次第で買い増す可能性を示唆
米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイが5日、円建て社債の発行条件を決めるための需要調査を開始した。主幹事のJPモルガン証券が資料で明らかにした。
バークシャーが発行を検討しているのは償還期間が5・10・15・20年の4本立て社債。利率や発行額は8日に確定する予定。主幹事はBofAセキュリティーズとJPモルガン、みずほ証券が務める。
【参考上乗せ金利(スプレッド)】
5年債 | 10年債 | 15年債 | 20年債 | |
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円スワップ対比スプレッド 単位:ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) | 17-20bp | 30-35bp | 40-45bp | 55-60bp |
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーが円建て債を発行するのは3度目。2019年9月に海外発行体として過去最大の規模となった総額4300億円で円債市場にデビュー、20年4月にも1955億円を起債した。
バークシャーは昨年8月に日本の5大総合商社の株式をそれぞれ5%超まで取得したことが話題となった。長期保有を目的としており、価格次第で保有比率を最大9.9%まで高める可能性があるとしていた。
ことし2月公表の年次書簡には保有額上位15銘柄の一つとして伊藤忠商事が5.1%で記載されている。バークシャーは20年に主要な大型投資はなかったと表明。保有する現金と現金同等物は約1380億ドル(約15兆2600億円)。
堅調な国内の投資需要
円債の需要は年初から底堅く、発行利率は低下傾向にある。日本銀行がオペで買い入れる中期債でこの傾向が顕著で、名古屋鉄道が3月16日に起債した5年債は利率が0.09%、発行額に対する需要は8.7倍だった。
バークシャーが今回提示した5年債の参考スプレッドから算出される想定利率は約0.2%。米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスから「Aa2」、S&Pグローバル・レーティングから「AA」という日本国債を上回る債券格付けを取得する予定で、格付け対比で見た利率の高さが目立つ。