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H&Mヘレナ・ヘルマーソCEO、予測不可能な世界で多くを学ぶ-激動の1年

  • ナイキやアディダス、アンダーアーマーも中国側から批判を浴びた
  • 公正な労働環境という点でH&Mは業界のロールモデルとの指摘も

スウェーデンの衣料小売り、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)のヘレナ・ヘルマーソン最高経営責任者(CEO)は就任わずか1年余りにして、経験豊富な経営者の一部が直面する以上のさまざまな難題に見舞われた。

  新疆ウイグル自治区の人権問題に触れた同社は、中国政府が発した怒りの矢面に立たされた。ヘルマーソン氏にとっては最悪のタイミングだったかもしれない。同氏は既に、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が招いた多数の店舗閉鎖と大量の在庫管理で多忙を極めている。

  ヘルマーソン氏(47)は電話インタビューで、「もちろん困難な1年だった」としながらも、「より予測不可能な世界でリードしていくやり方」について多くを学んだと語った。

  同氏はH&M初の女性CEO。今は会長となっている創業家出身のカール・ヨハン・パーション氏(46)から、経営トップを引き継いだ。

Helena Helmersson

ヘレナ・ヘルマーソンCEO

 

  自分が買う衣服がどのように作られているのか知りたいという消費者の願いと、中国の一段と強くなる主張および巨大市場の重要性の間で折り合いをつけなければならないのはH&Mだけではない。

  米ナイキやドイツのアディダス、米アンダーアーマーもH&M同様、新疆ウイグル自治区で生産される綿を使わないと表明したことで、中国側の怒りを買った。中国産綿の約8割が同自治区で生産されている。

人権問題には口出すな、中国で商売するのなら-習政権の戦略に変化

  H&Mは3月31日、事態の収拾を図ろうと中国へのコミットメントを強調するコメントを発表。だが中国の国営放送局はこれを「誠実さを欠き、空虚な言葉に満ちた二流の広報エッセイ」と呼び、同社がなぜ中国の消費者に謝罪しないのか理由を尋ねた。

  ただし、H&Mが中国で展開する店舗は500店を超え、休業に追い込まれたのはほんの一部にすぎない。また、こうした騒ぎには落ち着いていく傾向が見られる。

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  H&Mの株式0.6%を保有するフォークサムの責任投資・コーポレートガバナンス(企業統治)担当者エミリー・ウェストホルム氏は、強制労働に反対するなど公正な労働環境という点でH&Mは業界のロールモデルだと指摘する。「新CEOはサステナビリティー分野におけるH&Mの強い熱意と高い目標の道を歩み続けている」と言う。

  

H&M used to keep up with Inditex on inventory but has lost its way

  ヘルマーソン氏の課題は、嵐を乗り越え、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を乗り切っていく経営に戻ることだ。「柔軟性と顧客重視は過去1年間の経営方法において重要な鍵だったし、この先も鍵になる」と同氏は説明。「期待する制限の解除が徐々に見られるようになれば、力強く回復すると信じている」と話した。

原題:Unmade in China: H&M CEO Helena Helmersson’s Terrible Year(抜粋)

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