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新疆ウイグルや香港で中国強硬、進出企業はジレンマ-沈黙か退出か

  • H&Mなどで不買運動-強制労働巡る主張に関しては制裁発動
  • 一連の措置は疑心暗鬼の裏返し-香港バプテスト大カベスタン教授

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世界2位の経済大国、中国が新疆ウイグル自治区や香港を巡り強硬姿勢を続ける中で、本土で事業を展開している外国企業は、議論を呼ぶ話題に触れないか、巨大市場を失うリスクを負うかの選択をこれまで以上に迫られている。

  習近平指導部はここ数週間でスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)などの小売企業に対する不買運動を容認しているほか、新疆ウイグル自治区で行われているとされる強制労働を巡る主張に関しても英弁護士事務所を含む団体への制裁を発動。30日には香港選挙制度の大幅見直しで習氏が公布に向けて主席令に署名した。

中国、香港選挙制度変更の本土手続き完了-統制強化で欧米対立激化も

CHINA-FUJIAN-XI JINPING-INSPECTION (CN)

習近平国家主席(3月24日、福建省福州)

  中国側は米国や同盟国による中国当局者への制裁に報復するため一段と強硬になっており、進出企業は購買力を増す消費者14億人へのアクセスを維持するため、対応策の検討を早速余儀なくされている。これまでのところ中国以外では景気が低調なことから、大半の企業は身をかがめて静かにしているか、中国への投資を強化している。

  米シートン・ホール大学で法律を教える中国専門家のマーガレット・ルイス教授は「中国国内にとどまって加担するのか、撤退するのか、結局ジレンマに陥る」と指摘。「妥協点を見つけるのがますます難しくなっており、より厳しい判断になっている」と話す。

  在中国欧州連合(EU)商業会議所のヨルグ・ワトケ会頭は30日、ブルームバーグテレビジョンに対し、中国で不買運動に見舞われているH&Mなどブランドにとって最善の戦略は、反発が収まるまで静かにひたすら待つことだと述べた。実際、自社ウェブサイトから新疆ウイグルに関する声明を取り下げた企業もある。

H&M, Nike and Muji Face Boycotts in China as Xinjiang Dilemma Deepens

上海市内にあるH&M店舗

  香港バプテスト大学で政治学を教え、中国外交政策に関して複数の著作があるジャンピエール・カベスタン教授は、習主席の香港や新疆ウイグルを巡る行動は厳しいように見え、中国当局者も世界に「学ぶことは何もないかのように」話しているが、実際には一連の措置は疑心暗鬼の裏返しだと分析する。

  「一種の不安だ。弱さを示唆する兆候で、安心感を抱いていないことを示している」と同教授は指摘。「不安なときには他国に対して危険な決定や行動に出る恐れがあるため、気掛かりな点だ」と語った。

原題:Xi’s Shifting China Is Compelling Investors to Run, Hide or Hire(抜粋)

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