, コンテンツにスキップする

ドイツの新型コロナ危機、総選挙の行方にも影響-政権交代に現実味

  • 復活祭のロックダウン計画撤回、メルケル首相の力の衰えを象徴
  • 与党CDU・CSUの支持率は急低下、野党・緑の党との差わずかに

ドイツ・ベルリン中心部の首相府で、メルケル首相は22日深夜になっても名案が浮かばず途方に暮れていた。

  同日午後に始まった政府高官との緊張したビデオ会議はほぼ8時間にわたり膠着(こうちゃく)状態が続いていた。新型コロナウイルスの感染拡大を再び抑えるためドイツ政府は何らかの措置を打ち出す必要があったが、強い権限を持つ州首相らの支持を得られるような策がメルケル首相(66)には何もなかった。

  事情に詳しい関係者によると、疲れ切った首相はわらにもすがる思いでブラウン首相府長官に「何か別のアイデアはないか」とたずねた。医師でもあるブラウン氏は、イースター(復活祭)前後の5日間に厳格なロックダウン(都市封鎖)の導入を示唆した。

  これ以降のメルケル首相は、迷走に拍車がかかった。

メルケル独首相が謝罪、復活祭前後のロックダウン計画は「誤り」 (2)

Merkel And States Leaders Confer As Pandemic Third Wave Accelerates

バーチャル形式の会議に出席したメルケル首相(22日)

写真家:Jesco Denzel / Bundesregierung / Getty Images

  このロックダウン決定には与党内からも批判が相次ぎ、スーパーマーケットは復活祭用に発注した食肉が腐ると抗議。企業は4月1日を休業とする補償を求め、ケルン経済研究所は5日間のロックダウンで最大70億ユーロ(約9000億円)の経済活動が失われると試算した。

  こうして決定からわずか33時間でメルケル首相は撤回を余儀なくされたが、この余波はドイツの先行きを大きく左右する可能性もある。

  新型コロナとの闘い以外に、ドイツの政治家らが目を向けているのは9月の総選挙だ。与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)にとっては、数十年ぶりにメルケル首相を欠く戦いになる。3月初めに同党は野党のうち支持率が最も高い緑の党に16ポイントのリードをつけ、メルケル首相から次期首相への政権移行をスムーズに進めることができるとみられていた。

  ところが、感染が再拡大し政策対応に混乱が見られた最近3週間で、状況は大きく変わった。直近の調査でCDU・CSUの緑の党に対するリードは4ポイントにまで減り、次期首相がCDU・CSU以外の党から誕生する可能性が突如として現実味を増してきた。

Dwindling Lead

Merkel's conservative bloc is rapidly losing the support of German voters

Source: Forsa

  直近の調査では、過半数を占めるには2党による単純な連立では不十分で、より複雑な3党の連立が必要なことを示唆する。その場合、緑の党を中心とする連立政権成立の公算が高まる。

原題:
Merkel’s Covid Crisis Is Changing the Shape of German Election(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE