半導体危機に見舞われる自動車メーカー、北米で一段の生産削減
Skylar Woodhouse-
「需給バランスは悪化する一方だ」とアナリストは指摘
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フォードは主力「F-150」の工場を4月に2週間停止へ

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深刻化する世界的な半導体不足に悩む自動車メーカーは、北米工場の一部で生産削減の延長および拡大を余儀なくされている。
半導体メーカーが消費者向け製品の生産を優先させているため、自動車向けの半導体は入手が一段と困難になっている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)よる巣ごもり需要で、スマートフォンやテレビ、コンピューター向けの注文が大幅に増え、予想以上に持ち直した自動車需要に回せる分が少なくなっている。
最近の米南部での悪天候に伴う石油化学製品の供給障害や、ルネサスエレクトロニクスの工場火災も半導体供給不足に追い打ちをかけた。
コンサルティング会社のアリックスパートナーズは、半導体不足により、自動車メーカーの今年の売上高は610億ドル(約6兆7600億円)減る可能性があると指摘している。4-6月(第2四半期)に見込まれていた自動車の生産回復は一段と遅れる恐れがある。自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは「生産は増加するどころか減少しており、需給バランスは悪化する一方だ」と述べた。
Chip Squeeze
Automakers have canceled production for thousands of cars
Source: AutoForecast Solutions
半導体危機の影響を受けているのは大手自動車メーカーだけではない。トラックメーカーのパッカーは3月31日、1-3月(第1四半期)の納車台数が約3000台減少したと発表した。
フォード・モーターは同日、ミシガン州ディアボーンにある「F-150」の工場を4月5日の週と翌週に操業停止すると電子メールで明らかにした。
フォード、主力ピックアップトラックの工場で生産休止-半導体不足で

フォードの「F-150」
参考記事 |
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鴻海会長「部品不足、今年で終わらない恐れ」-出荷10%弱に影響も |
半導体の供給不足は2年続く、旺宏電子会長が予想-経済日報 |
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原題:
Chip Shortages Force More Cuts at North American Auto Plants(抜粋)