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米国は巻き返せるのか、インフラ投資で中国に出遅れ-競争力に直結

  • バイデン米政権の長期経済プログラム、米国の競争力底上げも狙い
  • 「一帯一路」掲げる中国、インフラ事業は国内にとどまらず

バイデン米政権が検討している最大3兆ドル(約330兆円)規模の長期経済プログラムは、インフラ整備に巨額の資金を投じ、新型コロナウイルス危機で疲弊した米経済の立て直しを目指す。だが、狙いはそれだけではない。今後数十年にわたる中国との覇権争いに備え、米国の競争力底上げを図る。

  中国の習近平国家主席との電話会談を先月行ったバイデン大統領は、そのすぐ後に自身の提案を議員らに説明した際、「われわれが動かなければ、中国がわれわれのランチを食べてしまう」と述べ、米国が「ステップアップ」する必要があると訴えた。

バイデン政権、最大330兆円の長期経済プログラム検討中-関係者

  関係者によれば、長期経済プログラムにはインフラ整備や気候変動対策が盛り込まれる見込みだが、たとえバイデン政権が求める全てで議会の了解を取り付けたとしても、インフラ投資で中国に追い付くには容易ではない。

バイデン米政権は最大3兆ドル規模の長期経済プログラムを検討している

Source: Bloomberg)

  中国は何年にもわたりインフラに巨額資金を投じ続けている。習政権は今年2月、国内交通ネットワーク整備の15カ年計画をまとめた。2020年時点で14万6300キロメートルの鉄道網を35年までに約20万キロに延伸する計画だ。北京では110億ドルを投じた新たな国際空港が19年に開港したが、この計画では民間機向け空港をさらに162増やすよう求めている。

  対照的に、米国が1990年代半ば以降に新たに建設した主要空港はデンバー国際空港のみ。米国で最も忙しい鉄道路線の一部であるニューヨーク・ニュージャージー間に鉄道トンネル「ゲートウェイ」を建設するための超党派の取り組みさえ数年間滞っている。

  中国のインフラ事業は国内にとどまらない。習主席は広域経済圏構想「一帯一路」を2013年に打ち出した。世界銀行によると、中国はスリランカやギリシャを含め世界中でエネルギープラントや鉄道、道路、港湾など推計5750億ドル相当の建設を約束。モルガン・スタンレーは18年、一帯一路の総支出額が27年までに1兆3000億ドルに達する可能性があるとの予想を示した。

中国の「一帯一路」構想

出典:ブルームバーグ)

  米国土木学会(ASCE)の21年版インフラリポートによれば、米国の公道の43%は、良いとは言えない、または悪い状態。橋は全米の61万7000本のうち42%が50年以上前にできたもの。そのうち約7.5%は構造的な欠陥があるとみられているという。

  米戦略国際問題研究所(CSIS)のジョナサン・ヒルマン上級研究員は先月、「米国は何十年にもわたる競争に突入しつつあり、経済力と技術力が軍事力と同程度あるいはそれ以上に重要になる」と指摘。「壊れそうなインフラでこのレースを始めるのは、足首を骨折しながらマラソンのスタートラインに立つようなものだ」と論じた。

原題:Biden Starts Big Infrastructure Bet With U.S. Far Behind China(抜粋)

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