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三菱モルガンが本場の富裕層サービス提供へ、提携先請負人が伝授

更新日時
  • 米モルガン・スタンレー超富裕層部門の元最高執行責任者が日本常駐
  • 日本での富裕層事業は簡単ではないとの見方も、かつては撤退相次ぐ

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は富裕層向け(ウェルスマネジメント)事業で、世界最高水準のサービス提供を目指す。本場仕込みのノウハウを伝授する役割を担い、昨秋から日本に駐在する合弁相手の米モルガン・スタンレーのダレン・スペンサー氏は、顧客提案力を引き上げるなどして、日本での成功に自信を見せた。

Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Logo

世界最高水準の富裕層サービスを提供へ

  モルガンSで超富裕層を対象としたプライベート・ウェルス・マネジメント部門の最高執行責任者(COO)を務めていたスペンサー氏。昨年11月、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)との富裕層事業の提携責任者として来日した。

  スペンサー氏はインタビューで、モルガンSのノウハウや専門知識を日本で教え込むことが「私のミッション(任務)」と断言。「われわれが米国で実現したのと同じ成功を日本で果たすことができる」として「未来は明るい」と自信をのぞかせた。

  また、スペンサー氏は三菱モルガンでのデジタル技術活用を支援するほか、トレーニングによって担当者の顧客提案力を引き上げる考えを示した。売買手数料(コミッション)中心の日本の証券文化から脱却し、助言に基づく収入体系へ移行する手助けがしたいとも述べた。

  モルガンSの富裕層向け事業は、全世界で約4兆ドル(約435兆円)の預かり資産と米国内で約1万6000人のファイナンシャル・アドバイザーを抱える最大手の一つ。人工知能(AI)を使って担当者の提案力を強化する「ネクスト・ベスト・アクション」システムを運用するなど富裕層事業のデジタル化に取り組んでいる。

簡単でない日本での富裕層事業

  昨年MUFGは三菱モルガンと富裕層事業を手掛けていた三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券を合併し、グループ内の同事業を再編した。三菱モルガンは今年4月1日付で富裕層向け事業の傘下に全国51支店の担当者も取り込んだウェルス&ミドルマーケット本部を発足させ、約1600人体制で業容拡大に備える。

  三菱モルガンの浜田直之副社長は昨年、モルガンSとの連携強化について「ブランド戦略、テクノロジーの活用など世界最高水準のノウハウを積極的に取り入れたい」と大きな期待を示していた。

  米調査会社ウェルスXによると、2019年の純資産額3000万ドル以上の日本の超富裕層人口は1万9820人と、米国、中国に次ぐ3位。潜在的な市場規模は大きい。米ゴールドマン・サックス・グループが日本市場に参入するほか、三井住友フィナンシャルグループは超富裕層向け事業を強化するなど、各社の攻勢が続く。

  一方、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の田村晋一アナリストは「旧山一証券から事業を継承した旧メリルリンチソシエテ・ジェネラルなど日本の富裕層事業から撤退した外資系金融機関は多く、決して簡単ではないというのが実情だろう」と言う。

  田村氏は「日本に富裕層が多いと言っても、資産に占める不動産の割合が高く、金融資産が多い海外とは事情が違う」と指摘。「モルガンSのノウハウを信託銀行など三菱UFJグループが持つ日本での知見とどう融合できるかが成功の鍵となるのではないか」との見方を示した。

(8段落目に情報を追加するなどして記事を更新します)
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