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金融機関と社員、ボーナスの期待にミスマッチ-コロナ下の好調でも

  • 日本国内バンカーの9割以上が基本給の5%以上を期待-調査
  • 2021年の昇給の意向、香港企業が38%とアジアで最高-日本は35%

新型コロナウイルス禍の波乱に見舞われる中でもJPモルガン・チェースが2020年10-12月期に過去最高益を更新するなど大手投資銀行各行は大幅増益となったが、好業績は必ずしもボーナスの増額にはつながらない見通しで、社員の期待と会社側の意向に隔たりが生まれている。

  転職エージェント大手の英ロバート・ウォルターズの日本法人は昨年10月から11月にかけて、日本国内で400人を超える金融業界のプロフェッショナルを対象に2021年のボーナスに対する期待について調査を実施した。

金融マンのボーナスに対する期待値

2021年に日本の金融マンは9割以上が5%以上を期待

ロバート・ウォルターズ・ジャパンの調査より、ブルームバーグが作成

  この調査によると、投資銀行に勤めるバンカーなどの9割以上が今年のボーナスとして基本給の5%以上を期待していることが分かった。その一方で、会社側からは、勤続5年以上の社員へのボーナスとして、基本給の5%以下になる見通しとの回答が3割超と最多を占め労使間で隔たりがあることが明らかとなった。

企業側のボーナス支払い意欲

5年以上勤務のミドル層に対して、1-5%が3割超え

ロバート・ウォルターズ ジャパンのデータを基にブルームバーグ・ニュースが作成

  同社のディレクターで金融分野などを統括するジョシュア・ブライアン氏は、コロナ禍の影響で企業には資金を優先的にデジタル投資に回す動きが広がっていると指摘する。

  記録的な業績を発表したにもかかわらず、2020年分のボーナスは前年と変わらなかった会社も少なくないという。また、現金で支払う代わりに長期的な業績に連動するストックオプションを付与する傾向もあると話した。

アジアの金融ハブ

  同社の調査によると、アジアの金融ハブのうち香港では38%の金融機関が21年に基本給の引き上げを検討していたのに対し、日本では35%、シンガポールでは22%にとどまった。

  企業の昇給意欲が最も高かった香港では昨年、新型コロナの感染拡大に加えて政治的な不安定を理由に、駐在員がシンガポールやオーストラリアなどへ流出する動きも見られたという。

  ブライアン氏は、4-5年前には日本から香港・シンガポールなどに人材が移る動きもあったが、現在はほとんど見られないと説明。一方で、日本語と英語を両方話せる人材の不足は、引き続き国内の基本給上昇につながっていると分析する。今年も業績の好調基調が続けば、従業員のボーナスに対する期待は昨年以上に高まると予測している。

  みずほ銀行の経済ストラテジー責任者のビシュヌ・バラタン氏(シンガポール在勤)は今後の見通しについて、「各中央銀行の政策により市場では流動性が氾濫しており、その蛇口が開いている限りお金は投資と買収に使われる必要が生まれる」と指摘する。

  投資対象が「クレジットであれ、ESG(環境・社会・企業統治)であれ、フィンテックであっても、金融サービス業はいつも中心にある」と業界の好況が続くとの見方を示した。

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