【米国市況】ハイテク株が反発、10年債利回り上げ縮小-原油上昇
Vildana Hajric、Lu Wang (News)19日の米株式市場ではテクノロジー株が反発。米国債利回りは日中の高水準を離れた。市場では経済成長加速に伴うインフレのリスクが意識されている。
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S&P500種株価指数は取引終了間際に下げに転じ、小幅安で引けた。銀行株の売りに押され、ダウ工業株30種平均も下落。米連邦準備制度理事会(FRB)は補完的レバレッジ比率(SLR)の条件緩和措置について、予定通り失効させると発表。銀行株を圧迫した。同発表を受けて、米10年債利回りは一時急上昇した。
フェイスブックに支えられ、ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は反発。この日はオプションと先物取引が期限を迎える四半期ごとの「クアドルプル・ウィッチング」だったことも、ボラティリティーを増幅させた。
S&P500種は前日比0.1%安の3913.10。ダウ平均は234.33ドル(0.7%)安の32627.97ドル。ナスダック総合指数は0.8%上昇。ニューヨーク時間午後4時34分現在、10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.73%。
エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、クレイグ・フェール氏は「金利上昇というテーマが株式と債券の両市場を依然として支配している」と指摘。「現時点では、金利が全般的な景気回復に悪影響を及ぼす局面にあるとは考えていない」と述べた。
パウエルFRB議長は米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿した論説で、米金融当局は「必要な限り長期にわたって」景気支援を提供するとあらためて表明した。

外国為替市場ではドル指数が上げ幅を縮小。米国債利回りが日中の高水準を離れたことが背景にある。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、0.1%上昇。ニューヨーク時間午後4時35分現在、ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=108円92銭。ユーロは対ドルで0.1%安の1ユーロ=1.1903ドル。
ニューヨーク原油先物相場は6営業日ぶりに上昇。ゴールドマン・サックス・グループやモルガン・スタンレーは、最近の売り浴びせは行き過ぎで買いの好機が訪れていると指摘した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は1.42ドル(2.4%)高の1バレル=61.42ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は1.25ドル(2%)上げて64.53ドル。
ニューヨーク金市場ではスポット相場が上昇。ドルがやや不安定な動きとなり、代替資産の金を買う動きにつながった。またインフレヘッジとしての金の需要も意識された。週間では1月以来で初の続伸。
金スポットはニューヨーク時間午後2時26分現在、0.4%高の1オンス=1743ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は0.5%(9.30ドル)高の1743.90ドルで引けた。
原題:Tech Rises as Treasury Yields Retreat From Peak: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Eases With Yields as Stocks Rebound With Oil: Inside G-10(抜粋)
Oil Rises With Wall Street Calling Sell-Off a Chance to Buy(抜粋)
Gold Set for First Back-to-Back Weekly Gain Since Early January(抜粋)