100億円があればビットコイン価格1%押し上げ可能-BofA推計
Joanna Ossinger-
資金流入による価格への影響がビットコインでは他の資産より大きい
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大口保有者は売らず、値上がりの主因はささやかな資金流入
仮想通貨ビットコインに大きく投資すれば、価格をかなり動かすことができるかもしれない。
ビットコイン価格は今年これまでにほぼ2倍になった。リテール投資家に加え電気自動車メーカー、テスラなどの企業もビットコインに投資。JPモルガン・チェースは今四半期の機関投資家からの流入額が前四半期をドル建てで20%上回るとみている。個人投資家の資金流入は90%増えた。
フランシスコ・ブランチ、サビタ・スブラマニアン両氏を含むバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、こうした資金流入による価格への影響がビットコインでは他の資産より大きい可能性を指摘する。
両氏らストラテジストは17日のリポートで、ビットコインでは9300万ドル(約100億円)の純流入が価格を1%押し上げると推計。金相場を同じだけ動かすのに必要な額は20億ドルと、ほぼ20倍だと指摘した。また、期間20年以上の米国債では数十億ドルでも相場に意味のある影響は与えないという。
ビットコインは資産クラスとしての信頼性が高まり、機関投資家の参入も増えている。金に代わる魅力あるデジタル資産として、またインフレへのヘッジとして有望視する人もいる。
BofAはリポートで、ビットコイン全体の約95%が大量に保有する上位2.4%のアドレスによって保有されていることから、「支払いメカニズムとして、また投資手段として実際には有用でない」とした。
大口の保有者が保有を続けていることも価格上昇の一因かもしれないとの見解を示し、「くじら」と呼ばれる大口保有者の多くはビットコインを売るよりも買い増していると指摘した。
それでも、価格上昇の主因は資金流入だとして、「ここ数年、特に2020年の甚だしい価格上昇圧力をもたらしたのは何かと言えば、答えはささやかな資金流入だ」と結論付けた。

原題:
Have $93 Million? You May Be Able to Boost Bitcoin’s Price by 1%(抜粋)