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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
cojp

日銀、長期金利の変動幅を上下0.25%程度に拡大-市場機能を維持

更新日時
  • ETF買い入れ目安の年6兆円削除、TOPIX連動型のみ買い入れ
  • 金融機関貸し出しに応じプラス付利、マイナス金利深掘りの影響緩和

日本銀行は19日の金融政策決定会合で、ゼロ%程度に誘導する長期金利(10年物国債金利)の変動許容幅を上下共に0.25%ポイント程度と決定した。市場機能を維持する狙い。

  上場投資信託(ETF)の買い入れの目安である「年6兆円」も削除する。買い入れの上限である年12兆円は維持し、市場が大きく不安定化した場合には大規模な買い入れを行う。新型コロナウイルス感染症収束後も上限は継続。今後は、構成銘柄が最も多いTOPIX連動型のみを買い入れる。

  点検では追加緩和の効果的な手段として、長短金利の引き下げを「重要な選択肢」と改めて位置付けるとともに、利下げの際には金融仲介機能への配慮が必要とした。マイナス金利深掘りによる金融機関収益への影響を和らげるため、短期政策金利と連動した「貸出促進付利制度」の創設を決定。金融機関の新型コロナウイルス対応を含む貸し出しに応じてプラス金利などを付利することで「より機動的に長短金利の引き下げが可能」としている。

要点
  • 10年金利の変動許容幅は上下共に0.25%ポイント程度
    • 長期金利の変動幅、下限を一時的に下回る場合に厳格に対応せず
  • ETF購入
    • 年間約6兆円の原則を削除
    • TOPIXに連動するもののみを買い入れ
  • 追加緩和の手段として長短金利の引き下げは重要な選択肢
  • 利下げを行う場合、当座預金の3層構造を調整
  • 貸出促進付利制度は短期政策金利と連動するようにする

  2%の物価安定目標の実現に時間を要する状況を踏まえ、各種政策の点検を行った。政策金利はマイナス0.1%、10年物国債金利の目標はゼロ%程度に据え置いた。

  住友生命保険運用企画部の武藤弘明上席部長代理は、「YCCの弊害を軽減させようという意図が強い内容だった」と指摘。「マイナス金利の副作用がますます強まっていて、このままでは銀行の収益基盤が損なわれていくことを日銀は気にしているという感じだ」と述べた。

  農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、今回の決定内容について、「緩和をまだ長期間続けざるを得ない中で、維持可能なものに仕立て上げた」と評価。貸出促進付利制度は、金融機関のコロナ対応融資への付利を拡大することで「貸し出しに回していく視点をより強化する制度」と解説した上で、「仮にマイナス金利深掘りの時は、コロナ対応から別のカテゴリーに変える」可能性を指摘した。 

日経平均株価とTOPIXの日中推移

  ETF買い入れ方針の発表を受け、日経平均株価は一時下げ幅を拡大。逆にTOPIXはプラスに転換した。

  点検は、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みを維持した上で「より効果的で持続的」な政策にすることが目的。イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)運営やETFなど資産買い入れ方法見直しが対象になっていた。

  ブルームバーグがエコノミスト46人を対象に4-9日に実施した調査では、今回会合で政策を微調整すると8割が予想。ETFの買い入れに関しては、市場の状況に応じた柔軟な購入方法をより明確に打ち出すとの見方が9割に達する一方、長期金利の変動許容幅の拡大を見込むのは2割にとどまった。

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(市場の動きやエコノミストコメントを追加します)
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