コンテンツにスキップする

ANA貨物事業は来期も成長、売上高最高更新に自信-業績支えに

更新日時
  • 旅客低迷でANAHDは今期赤字の見通しも、貨物特需の継続見込む
  • 事業強化で航空貨物の世界ランク5位以内目指す-執行役員

ANAホールディングス(HD)は新型コロナウイルスの感染拡大で旅客需要が大幅に減少する中、急拡大して業績を下支えする貨物事業について来期(2022年3月期)も成長を見込んでいる。コロナ後を見据え、航空貨物業界でシェアを大幅に高める計画だ。

Pfizer Vaccines Continue To Arrive At Narita Airport

ANAの機体から荷下ろしされるファイザー社製の新型コロナワクチン(3月1日、成田空港)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  ANAHD傘下の貨物事業子会社、ANAカーゴの外山俊明社長(全日本空輸取締役執行役員)は17日、都内でのインタビューで当面の需要は「現在の状況が続く」とした上で、過去最高の売上高を見込む今期(21年3月期)に続き、来期も成長が続くとの見通しを示した。

  ANAHDの貨物事業売上高は昨年の新型コロナ感染拡大後、しばらく減少が続いたが世界経済の復調に伴って秋ごろから急回復した。競合の日本航空と違い貨物専用機を保有する強みから10-12月期は同64%増の592億円となり、連結売上高に占める割合は平常時の10%をやや下回る水準から約30%に拡大した。利益は非開示だが、外山氏によると今期は黒字の見通しという。

  外山氏は、1-3月期も活況が続いていると指摘した。来期は見通しが立てにくいとしながら、需要はコロナ前の水準を超えており、今後、感染収束に進めば反動増も期待されることから今期以上を狙っていきたいとした。

  外山氏はコロナ禍の航空貨物需要の増加要因について、自動車部品と半導体や電子部品のほか、パソコンやゲーム機器など「巣ごもり需要」の拡大が大きかったと振り返る。

  旅行需要の消失で貨物輸送の多くを担う旅客便が激減し供給が落ち込んだところに、想定より強い経済の回復で海運業者の需給がひっ迫した。通常なら来ないような注文が航空貨物に「どんどん回ってきていて異常な状態が続いている」と話した。

  ANAHDは、今期の営業損益が5050億円の巨額赤字に転落すると見込む。1月には2度目の緊急事態宣言が発令されるなどコロナ禍の影響は長引き、厳しい経営環境が続く。

  片野坂真哉社長が掲げる来期の黒字化目標について外山氏は「グループ全社、全体一丸となって絶対にやるぞという気持ちで臨んでいる」と述べた。

  ANAHDの18日の株価終値は前日比1.3%高の2767円。年初来では22%上昇している。

  ANAHDの19年の航空貨物取り扱い重量は約115万トンで世界で12位だった。外山氏は、旅客機による輸送なども活用して効率性を高めて収益を安定させながら搭載量を増やしていきたいとし、中長期的には米フェデックスやUPS、アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空などに次ぐ上位5位内を目指すと話した。

(更新前の記事は外山氏の肩書を訂正しています)

(株価情報を追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE