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日銀会合注目点:政策点検を公表、ETF購入弾力化や長期金利変動

  • マイナス金利深掘り準備の副作用対策も、持続性と実効性が鍵
  • ETFは目標額の見直し焦点、長期金利は変動許容幅に関心

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日本銀行は18、19日に金融政策決定会合を開催する。金融緩和策の点検結果を踏まえた上場投資信託(ETF)の買い入れ方法や、長期金利の変動許容幅の扱い、将来的なマイナス金利の深掘りと合わせた副作用軽減策などに市場の注目が集まっている。

  日銀が昨年12月の会合で表明した政策点検は、新型コロナウイルス感染症の影響も加わって2%の物価安定目標の実現が一段と遠のく中で、より効果的で持続的な緩和策とすることを狙いとしている。

  現行の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策」の主要な枠組みは変更しないことが前提となり、政策の見直しも調整の範囲内にとどまる見通し。経済・物価・金融情勢に目立った変化が見られない中で、短期政策金利のマイナス0.1%、長期金利の誘導目標のゼロ%程度は維持されると見込まれている。

選択肢

大半が「ETF購入の柔軟化」を予想

出所:ブルームバーグ・サーベイ

備考:調査対象は46人。複数回答可

  米国の金利上昇と点検に対する思惑が重なり、日本の長期金利は2月26日に一時0.175%とマイナス金利導入が決定された2016年1月以来の高水準を付けた。株価も世界的に堅調な地合いが継続。日経平均株価はバブル崩壊後の最高値を更新し、一時3万円台に到達した。

  市場が長期金利動向を中心に神経をとがらせる中で、日銀が副作用に配慮しながら、金融緩和の持続性と実効性をいかにアピールできるかが焦点となりそうだ。

ブルームバーグ・エコノミクスの増島雄樹シニアエコノミスト

「目的はイールドカーブコントロールの運営をより柔軟にし、金融環境次第ではETFやREITの買い入れを減らす自由度を高めることだろう」

全文(英文)をご覧になるにはこちらをクリック

ETF買い入れ

  10年前に臨時・異例の措置として始まったETF買い入れは、金融緩和の強化とともに購入額の拡大が続き、日銀が日本株の最大の保有主体になった。株価が堅調に推移する中でも買い入れを続ける現在の手法を疑問視する声は多い。

  雨宮正佳副総裁は8日の講演で「必要な時に思い切って積極的な買い入れを行うことで、最大限の効果を上げる運営を行っていくことができないか、考えたい」と発言。関係者によると、現在のような株高局面では買いを控え、市場が過度に不安定化した局面では積極化するなど、リスクプレミアムの大小に応じた一段とメリハリのある購入方法が検討されている。

  ブルームバーグがエコノミスト46人を対象に4-9日に行った調査では、政策点検を踏まえたETF購入の一層の弾力化を9割が予想。残高増加ペースの「年間12兆円の上限」を残した上で、「同6兆円の原則」を削除するとの見方が市場で増えている。

国債金利の変動

  黒田東彦総裁は5日の衆院財務金融委員会で、ゼロ%程度に誘導している長期金利の変動許容幅について「拡大する必要があるとは考えていない」と発言。8日には雨宮副総裁が「緩和効果が損なわれない範囲内で金利はもっと上下に動いてもよい」と述べ、正副総裁発言の温度差に市場が混乱する一幕があった。

  日銀は現在、長期金利はゼロ%を中心に上下0.2%程度の範囲内の変動を容認しており、コロナ禍では市場金利の低位安定が重要との認識が共有されている。点検では、長期金利変動が経済に与える影響や許容幅に関する考え方を示す可能性がある。

  関係者によると、日銀内では国債金利がより柔軟に動きやすくなる方法が検討されている。月末に開示される運営方針の公表項目の一部を修正するなど国債買い入れオペの見直しも議論の対象になるという。

マイナス金利深掘りの準備

  日銀はマイナス金利の深掘りを追加緩和の有力な手段と位置付けているが、超低金利環境の長期化が金融機関の収益を圧迫し続けている中で、市場では副作用の拡大懸念を背景に懐疑的な見方が多い。

  関係者によると、日銀は現段階でマイナス金利の深掘りが必要な情勢とはみていないが、将来、追加緩和が避けられない情勢になった場合に利下げの実効性を確保できるよう、合わせて金融仲介機能に及ぼす副作用の軽減策も打ち出す見通し。利下げが金融機関の収益構造に与える影響も分析しており、結果の公表も検討されている。

  具体的な副作用軽減策としては、プラス0.1%を付利している日銀当座預金の基礎残高の拡大や、マイナス0.1%の政策金利残高の圧縮など3層構造の見直しが議論される可能性がある。貸し出しに応じた当座預金へのプラス付利など、新型コロナ対応オペのように金融仲介機能により直接的に働き掛ける方策も検討されるという。

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