コンテンツにスキップする

ウイルス感染の推移とワクチン供給の動向も予測-FRB調査統計局長

  • テブリン局長率いるチーム、FOMCの「13番目のメンバー」とも
  • FOMCの戦略更新反映ためチームのルールに多少の変更を加えた

1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら

米連邦準備制度理事会(FRB)の調査統計局長を務めるステイシー・テブリン氏について、聞いたことがある人物は恐らくほとんどいないだろう。しかし同氏が率いる357人のチームは、金融当局者が6週間ごとに金利政策を検討するのに当たり、議論のたたき台となる予測の取りまとめを担っている。

  テブリン氏のチームの経済見通しは「ティールブック」と呼ばれる文書にまとめられ、5年間部外秘とされる。同氏がテレビ出演したり、演説したりすることはなく、記者団に語ることさえあまりない。

  だが、同氏のチームの作業は政策論議に極めて重要な影響を及ぼす。このため元FRB理事の1人は、投票権メンバーが定数12人の連邦公開市場委員会(FOMC)を念頭に、調査統計局スタッフの予測を「13番目のメンバー」と呼んだこともある。

relates to ウイルス感染の推移とワクチン供給の動向も予測-FRB調査統計局長

ステイシー・テブリン氏

Phorographer:Cheriss May / Bloomberg

  テブリン氏は1990年にノースウェスタン大学で経済学士、95年にはマサチューセッツ工科大学(MIT)で経済学博士号を取得。論文のアドバイザーはノーベル経済学賞受賞者のロバート・ソロー氏だった。ブルームバーグが2月、テブリン氏(52)に行ったインタビューの主な内容は次の通り。簡潔かつ明確にするため編集した。

新型コロナウイルスワクチン開発前、ウイルスと経済をどのように予測し、現在はどうしているか?

  われわれは必要に迫られウイルス感染の推移とワクチン供給の動向を予測している。それらは経済に関する理解の根拠となる基本的な想定だ。  

  スタッフに疫学者はおらず、1年前にはどうすべきか分からなかった。私たちにあったのは、複雑なモデルとデータに非常に精通した多くの人材だ。

  スタッフの多くの人々がパンデミック(世界的大流行)の科学と数学、緩和戦略、ワクチンをかなりの時間をかけて学習した。それらがどう展開して、どのように経済に影響を与える可能性があるかを理解できるようにするためだ。  

  一番最初は、経済動向を追跡するための日次および週次の指標について全く新しいセットを開発した。新たなグループを立ち上げて、新型コロナ感染症(COVID19)に関係した全ての経済論文を集めて精読し、非常に短期間で内容を把握した。直近のチェックでは200件に上っていたと思う。

FOMCは完全雇用からの未達分に焦点を絞った新たな戦略に切り替えた。それに伴い、経済予測のアプローチに変化はあるか?

  予測をまとめる場合、妥当な見通しをもたらす金融政策の道筋を書き出す必要がある。金融政策ルールを使うのが明快で透明性の高い方法だが、FOMCは政策ルールを活用していない。

  われわれは昨年、戦略更新を反映させるため当チームのルールに多少の変更を加えた。例えば、最大限の雇用からの未達分に重点を置きつつ、期間平均で2%のインフレ達成についてFOMCが表明した内容を認識して組み込む形で若干の調整を行った。

  もちろんFOMCはルールを特定しないので、われわれは彼らが何をしようとするのか正確に把握することはないだろう。FOMCでの議論を手助けするため、われわれは異なった複数のルールを使い、複数の相異なるシミュレーションも提示している。

原題:
Fed’s Keeper of Secret Teal Book Lifts Veil on New Forecast Era(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE