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17兆円規模のSPACバブル、崩壊避けられないとの懸念強まる

  • ここ1年3カ月でSPAC474社が計1560億ドルを調達
  • いつ、どれぐらい悪く終わるかが唯一の問題と皮肉な見方をする人も

「こんなことが長続きするわけがない」。米金融業界では現在、こうした言葉が再びささやかれている。今回は、業界でも最大級の資金が動いている特別買収目的会社(SPAC)に関してだ。

  SPACについて今まで耳にしたことがない人はいないのではないだろうか。実際に利益を出している本物の企業と合併するという1つの目的のために設立された上場企業だ。

  今ではありとあらゆる人がSPACに携わっているように見える。スポーツ界ではアレックス・ロドリゲス氏やシャキール・オニール氏、元米下院議長のポール・ライアン氏、ウォール街の投資銀行家マイケル・クライン氏などリストは尽きない。ここ1年3カ月の間にSPAC474社が計1560億ドル(約17兆円)を調達した。

Alex Rodriguez GETTY sub

アレックス・ロドリゲス氏

写真家:マディマイヤー/ゲッティイメージズ

  多くの有名人がSPACに関与している状況は、SPACが金融のあり方を変革しているか、もしくは市場の熱狂がコントロール不能になっていることを示しているのだろう。あるいはその両方かもしれない。

  金融のプロは、非公式にだけではなく公にもますます、この状況が一般の投資家にとって悪い終わり方になると警告している。いつ、どれぐらい悪く終わるかが唯一の問題だと皮肉な見方を示す人もいる。

  ヘッジファンドやプライベートエクイティー(PE、非公開株)投資会社のディールメーカー、バンカー、弁護士といったSPACの関係者の中では、行き過ぎの兆候が強まっているとみている人が増えており、冗談としか思えないような高い評価額や、問題のある情報開示、利害の食い違いの拡大を指摘している。

Out of The Gate

U.S. SPACs in 2021 closed on average 5% higher in their first day of trading

Source: Bloomberg

  1年前に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で世界市場が動揺し、経済活動が停止状態となり、ニューヨークやロンドンや香港の高層ビルから人が消えた時、SPACバブル崩壊を予想する人はほとんどいなかっただろう。しかし今では多くの人がその時が近づきつつあると感じている。

  米証券取引委員会(SEC)は何カ月にもわたりSPACを巡り警告を発してきている。昨年9月にSPACを巡る問題の可能性について指摘した後、12月に再び、利益相反の可能性や、SPACのスポンサーが手にする可能性がある金額を明確化するための新たな指針を発表した。

  法律事務所ローウェンスタイン・サンドラーのパートナー、スティーブン・シーサー氏は「何らかの理由で現在の強気相場がストップする時、最初の標的になるのはSPACだろう」と指摘。SPACが「最初の犠牲者になる」との見通しを示した。

原題:SPAC Bubble at $156 Billion Stirs Worry About an Inevitable Pop(抜粋)

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