, コンテンツにスキップする

トヨタが取引先に支給材価格示さず、鉄メーカーに追い風-関係者

更新日時
  • 4-9月分、トヨタ集中購買の支給材価格は国内鋼材価格の指標にも
  • 高炉メーカーが自動車部品メーカーとの交渉で優位に-アナリスト

トヨタ自動車が、主要部品メーカーに販売する来年度上期(2021年4-9月)分の支給材の価格を一部取引先に示さなかったことが明らかになった。国内鋼材価格の指標ともなっている支給材価格が示されないのは異例。トヨタの購買力の影響が薄まるため、部品メーカーとの個別取引で鉄鋼メーカーが恩恵を受ける可能性がある。

  公表されていない情報だとして匿名を条件に話した2人の関係者によると、トヨタは9日までに4-9月の支給材価格を提示しないことを一部取引先に伝えた。支給材価格を示さなかった理由やトヨタの下期以降の対応などは不明という。

  トヨタ広報担当の山田詩乃氏は個別取引についてはコメントしないと述べた。

  自動車メーカーが日本製鉄などの鉄鋼メーカーから大量に自動車用鋼板を調達し、その一部を系列の部品メーカーに有償で支給する方式は「集中購買システム」と呼ばれ、業界の取引慣行として長年定着している。中でもトヨタの支給材価格は取引量の多さから国内鋼材価格の指標となってきた。

  従来は集中購買の水準が部品メーカーと鉄鋼メーカーの個別取引にもほぼそのままスライドして適用されていた。しかし、今回は鉄鋼メーカーと交渉を重ねて価格を探っているという。トヨタの購買力が反映された集中購買の数字が使えないため部品メーカーの交渉力は下がり、今回は通常より厳しい結果になる可能性があるという。

  SMBC日興証券の山口敦シニアアナリストは9日付のリポートで、トヨタが支給材価格を公表しないとすれば、「自動車部品業界や他需要家向けの鋼材値上げ交渉では、高炉は従来よりも有利となるだろう」とした。

  日本製鉄の決算説明資料によると、19年度の国内鋼材消費は5886万トン。普通鋼鋼材消費は4716万トンでそのうち自動車産業向けは1098万トンと4分の1近くを占めている。

Views of Nagoya As Japan’s Current Virus Wave Peaking

トヨタ本社(愛知県豊田市、2020年8月24日)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

(アナリストコメントを追加して更新しました)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE