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米国債、トレーダーがこぞって空売りの動き-さまざまな資産に影響も

  • 米10年債担保のレポ金利マイナス-ショートにする動きの一環か
  • 今週は米10年債と30年債の入札が予定-ショートの魅力増す公算も

空売り投資家の命運が注目を集めるのは、ネット上の情報拡散を背景に売買が集中するいわゆる「ミーム」株を取引する市場だけではない。21兆ドル(約2280兆円)規模の米国債市場でも空売りが増えており、さまざまな資産クラスに重要な影響が及ぶ可能性がある。

  指標となる10年物米国債利回りは5日、外国勢の押し目買いの前に一時1.62%と、2020年2月以来の高水準に達した。同日発表された2月の雇用統計は雇用者数の伸びが予想を上回ったほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長も今のところ長期金利の急上昇を抑え込もうとするには至っておらず、トレーダーは勢いづいている。

パウエルFRB議長、ハト派メッセージ発するも市場は失望感

  トレンドの方向性を顕著に示しているのが、10年物米国債を担保に短期資金を融通するレポ市場だ。米国債の借り入れ需要は大きく、レポ金利はマイナスに達しているが、これは米10年債をショートにする動きの一環とみられる。

  BMOキャピタル・マーケッツの債券戦略グローバル責任者マーガレット・ケリンズ氏は「利回り上昇に拍車を掛ける材料が現時点で多い」とした上で、「利回り上昇が行き過ぎてリスク資産に真の圧力となり、パウエル議長が行動を迫られる水準はどこかというのが問題だ」と語った。

Wagers for higher yields persist as financial conditions hold stable

  株式市場では既に、利回り上昇に影響を受けやすい兆候が特にテクノロジー銘柄中心に示されている。リスクにさらされるもう一つの分野は住宅市場だ。米経済に明るい部分の同市場で住宅ローン金利は上昇している。

  米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、3月2日終了週の米10年物国債の売り越しは2016年以来の高水準に達した。10年債利回りの向こう数日の重要水準として、BMOは1.75%を指摘する。そこに到達すれば、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の昨年1月以来の水準となる。

  今週は米10年債と30年債、計620億ドル規模の入札が予定され、ショートポジションの魅力がさらに増す可能性がある。先月の7年債入札では過去最低の応札倍率となり、10年債利回りが1.6%超に上昇する要因となった。

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原題:
Bond Traders Go All-In on U.S. Treasury Market’s Big Short Bet(抜粋)

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