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ESGブーム便乗も、金融庁が投信名称に基準必要か検証に着手へ

更新日時
  • 6月までに資産運用会社や証券会社などと対話始める意向-関係者
  • ESG投資を誇張したり誤認させたりするような名称の氾濫防ぐ狙い

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金融庁は6月までに、投資信託の名称について一定の基準を設けるかどうか、資産運用会社や販売を担う証券会社などとの対話を始める意向だ。ESG(環境・社会・企業統治)に対する関心の高まりを背景に、ESG投資をうたう商品が増えたことがきっかけで、実体が伴っているかどうかに強い関心を寄せている。

  匿名を条件に取材に応じた複数の金融庁関係者によると、対話の目的の一つは、業者らが投資家を引き付けるために、ESG投資であることを誇張したり、誤認させたりするような名付けが氾濫することを防ぐことだという。現状では投信の名称に含まれる資産の組み入れ割合などの明確な基準はないという。

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金融庁が投信名称に基準必要か検証作業に着手へ

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  同庁関係者は、こうした問題意識を持ったきっかけの一つとして、みずほフィナンシャルグループ(FG)が傘下証券や銀行で販売しているグローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>を挙げる。同ファンドは当初、組み入れ銘柄のESGへの取り組みについての説明が不足していたという。

  ESGを冠したこのファンドは、昨年7月の発売時に当初設定額3830億円という大型ファンドとしてスタート。設定から8カ月たたない3月2日現在の純資産総額は1兆327億円という大ヒット商品となっている。みずほ系の運用会社アセットマネジメントOneが設定し、米モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントが実質的な運用を手掛ける。

  ブルームバーグのデータによると、同ファンドは円建てで販売している投信の総資産ランキング5位。4位までは設定から3ー20年以上経過しており、急成長が際立つ。金融庁関係者は、みずほFGの成功を目の当たりにした競合他社の間で、以前からある投信をESG投信に衣替えさせたり、新規投信を設定したりするなど追従する動きが出てきたと目を光らせる。

  楽天証券経済研究所の篠田尚子ファンドアナリストの試算によると、名称変更も含めて名前にESG要素の入った国内ファンド数は昨年6月末の約95本から足元で約120本まで増えているという。

  金融庁の中島淳一総合政策局長は1月の専門誌とのインタビューで「社会での関心が高まっているESGを名称に含む投信が多く作られている。(中略)ESG投資は成長が期待される分野であり、投信の中身や販売姿勢を注視している」と業者をけん制した。

  一方、発端となった未来の世界(ESG)は、1月から月次リポートで組み入れ上位銘柄のESGへの取り組みについて個別に説明を加えており、同庁関係者はこうした姿勢は評価できるとした。

  アセマネOneの広報担当者は「当該商品の設定時には商品説明の動画を掲載するなどしており、請求目論見書・交付目論見書については、より丁寧な説明とするべく、3月にかけて修正を加えてきている」と電子メールでコメントした。モルガン・スタンレーの広報担当者は「ファンドの名付けについてコメントする立場にない」と述べた。

グリーンウオッシング

  欧米では、ESGブームの高まりを背景にファンドの環境貢献効果を装う「グリーンウォッシング」問題が顕在化。当局が対応を取り始めている。欧州連合(EU)では投資の評価指標になるESG格付けの基準作りの議論が始まっている。

  米国は2001年に、ファンドの名称が示唆する資産の割合を80%以上などとするいわゆる「ネームズ・ルール」を導入済み。ESGブームを受けて、管轄する米証券取引委員会(SEC)は昨年、ESGを名称に含むファンドについて環境・社会・企業統治の3つの要素をすべて満たすべきかなど幾つかの課題についての意見募集(パブリックコメント)を実施した。

  金融庁関係者はネームズ・ルールについて研究していると述べた。ブルームバーグ・インテリジェンスの試算では、日本はアジアのESG関連の上場投資信託(ETF)の資金量の80%を占めるなどアジアではこの分野で圧倒的な存在感を持つ。

(各国当局の対応などについて内容を追加します)
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