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週休3日の時代が到来も-採用企業の3分の2で生産性向上

  • ハイテク企業のアウィンは1月から導入-前向きな体験とCEO
  • 「従業員はより賢い仕事のやり方を見つけ、生産性が下がらない」

世界が新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)に昨年突入した時、ベルリンに本拠を置くハイテク企業アウィンの1000人の従業員は、他の何百万人もの労働者と同様に、ラップトップを台所やダイニングルームに持ち込んで働き始めた。同じ時期に、オンライン小売業者向けの同社の事業は大盛況となり、従業員の負担は急増した。

  そこでアウィンは春ごろ、従業員に金曜の業務を昼までで切り上げさせることにした。この実験は大成功で、売上高も社員の士気も顧客満足度も全て上がったので、同社は今年1月、給料や給付はそのままで週4日勤務体制への切り替えに踏み切った。「満足していてやる気がありバランスの取れた従業員はより良い仕事をしてくれると確信している」と、アダム・ロス最高経営責任者(CEO)が述べた。「従業員はより賢い仕事のやり方を見つけるので生産性が下がらない」という。

  同社は世界的に注目を集めつつあるトレンドの先駆者だ。求人ウェブサイトのジップリクルーターによると、週4日勤務をうたった求人広告は過去3年で3倍に増え1万件中62件となった。消費財大手のユニリーバは昨年12月にニュージーランドの従業員を対象に週4日勤務の1年間の試験実施を開始した。スペイン政府は週4日制を採用する企業に助成金を出す案を検討している。英国のシンクタンク、オートノミーの調査ディレクター、ウィル・ストロンジ氏は「週4日勤務は勢いを増している。大多数の企業にとって、労働時間の短縮は完全に現実的な目標だ」と述べた。

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アウィンのアダム・ロスCEO

Photographer: Sophie Green for Bloomberg Businessweek

  19世紀後半までにはほとんどの人にとって少なくとも日曜日は休みになっていたが、週休2日を導入したのは1926年の ヘンリー・フォード氏が最初。余暇がもっとあればフォード・モーターの従業員がもっと車を買ってくれるだろうという考えだった。先進国の労働時間はその後徐々に短くなり、2000年にはフランスが週35時間労働制を採用した。

  ドイツ労働経済学研究所(IZA)の研究員、テリー・グレゴリー氏は「先進国・地域の多くは高技能労働者が不足している。これは勤務時間短縮を求める力を労働者に与える」と指摘する。

  しかし、週4日勤務が広く受け入れられるのは難しいかもしれない。 中国の電子商取引大手アリババグループ共同創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は中国の「996(午前9時から午後9時、週6日)」の労働文化を長期的成功の源と称賛する。雇用主は給与を下げずに労働時間を短縮することには慎重だ。ケルンのドイツ経済研究所(DIW)の労働市場アナリスト、ホルガ―・シェーファー氏は、「労働時間短縮で生産性が上がるとは思わない」と言う。

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*Through Feb. 24.

Data: ZipRecruiter

  しかし、パンデミック(世界的大流行)が成長を減速させ不平等を拡大させる中、職場の再設計に新たな原動力が生じている。英国の影の内閣の財務相を務めたジョン・マクドネル氏が率いるグループは、バイデン米大統領やジョンソン英首相、メルケル独首相ら世界の指導者に書簡を送り、雇用を守り働き方を見直しエネルギー消費を削減するために週4日制を採用するように促した。

  レディング大学の調査によると、週4日勤務を採用した企業のほぼ3分の2が生産性の向上を報告している。

  アウィンでは当初、どの日を休みにするかについての従業員間の調整や、1月の決算期に財務部門で週5日勤務が必要だったこと、金曜日に来た顧客からの要請に迅速に対応する仕組み作りなど、幾つかの問題が生じた。約80人の従業員が、週4日体制への切り替えをスムーズにするためのタスクフォースに自発的に参加し、場合によって契約を変更したり1時間の会議の時間を半分に減らしたり、協力して作業するのを容易にするソフトウェアを導入したりといった対応に取り組んだという。

  同社は夏に試験プログラムの結果を評価する。ロスCEOは、非常に前向きな体験だったので従来の体制に戻すことは考えられないと話す。6年にわたり毎週ベルリンとロンドンの間を行き来してきたが、今は週に1日は自由があり、家族と過ごしたり次の一手について考えたりすることができる。企業は「従業員の身体的健康のための制度は設けたが精神的健康には手が届いていなかった。それが変わりつつあるのを感じる。当社はその先陣になりたい」と同氏は語った。

原題:
Four-Day Work Week Gains Popularity Without Costing Productivity(抜粋)

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