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北京に負けたくない東京、「コロナに勝った」五輪開催へ正念場

  • 来年2月予定の北京冬季五輪開催に自信-習中国国家主席
  • 中国がアピールを強めていることに日本政府当局者は注目-関係者

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日本政府が今夏に東京五輪・パラリンピックを何としても開催したい理由は山ほどあるが、ほとんど表に出てこないのが「中国」への意識だ。

  中国政府は、新型コロナウイルスの封じ込めにほぼ成功したとして、来年2月の北京冬季五輪を予定通り開催する方針を明言した。

  こうした中国の動きに日本政府当局者は注目しており、東京五輪主催者との対話では中国がアピールを強めていることに言及したと、五輪計画の策定に携わる関係者1人が対話の内容は非公開だとして匿名で明らかにした。どのような困難があろうと五輪開催を実現したいという日本政府の意欲の表れだと主催者側は理解しているという。

  アジア2位の経済大国として東京五輪は国際社会からスポットライトを再び浴びる格好の機会になり得るだろうが、菅政権にとっては悩みの種となっている。日本を含む多くの国ではいまだ感染が収まっておらず、開催を巡り不透明感が漂う。

  新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で、五輪は開催国が感染拡大の封じ込めに成功し得るかどうかを見極める試金石となった。これが収束に向けて断固とした措置を講じる中国と、より緩やかな対策を取る日本との間の競争心をあおる。

Olympic Venues As Coronavirus Casts A Shadow Over The Games

五輪マークのモニュメント(東京・台場)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  早稲田大学のデービッド・レーニー教授(政治学)は、「特に日本の保守層では、自分たちの立場や日本をどう見るかという点で中国の存在が極めて大きい」と指摘。「日本の対応のまずさやワクチン接種の進捗(しんちょく)の遅れを理由に五輪を開催できず、一方で中国が開催できれば、新たな打撃となるだろう」と述べた。

  首相官邸と東京五輪・パラリンピック組織委員会の広報担当者にコメントを求めたが、今のところ返答は得られていない。

  今夏の五輪開催に対する国民の支持はなお低い。2月下旬のFNNの世論調査によると、ワクチン接種への期待感から1月の調査より増えたものの、「予定通り開催できると思う」との回答は28%だった。女性蔑視とも取れる発言で組織委員会のトップが急きょ交代、無観客開催の可能性も取り沙汰されている。

五輪聖火リレー、緊急事態なら式典のみも-予定通り3月25日開始

  菅義偉首相は1月29日、世界経済フォーラム(WEF)主催のオンライン会合「ダボス・アジェンダ」で五輪開催を明言。「人類がコロナに打ち勝った証しとして、そして世界の団結の象徴として、世界中に希望と勇気を届けることができる大会を実現する決意」だと述べた。

Views From Shibuya Sky Observation Deck Ahead of Tankan Survey

新国立競技場

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  五輪の開幕までに日本人の大半がワクチン接種を完了する可能性は低い。公衆衛生への不安が高まり、五輪に対する国民の支持が一層低下する恐れもある。

  一方、中国政府によるウイグル族弾圧を巡る報道を受け、北京冬季五輪の開催に暗雲が立ち込めている。一部でボイコットを求める声が上がり始めた。これに呼応する国・地域が出てくるかどうかは現時点で分からないが、昨年の東京五輪延期が決まった際は、カナダの選手団派遣見送りの決定が大きな判断材料になったとみられている。

  中国の習近平国家主席は冬季五輪会場を視察した1月、開催国として冬季五輪を成功させるだけでなく、唯一無二の大会にすると開催に自信を示した。

Beijing Winter Olympic Village & Venues In Yanqing Zone

北京冬季五輪のアルペンスキー会場

Photographer: Kevin Frayer/Getty Images

 

原題:Fear of Being Upstaged by China Fuels Japan’s Olympics Push(抜粋)

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